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カテゴリー「2000年の読書遍歴」の85件の記事

2008/11/30

『突然の災禍』 (ロバート・B・パーカー) 感想

二作連続でスーザンがらみの災難ですね……。今度はもっと深刻というか、どうして今ごろスーザンの前夫が出てくるんだろう?しかも、例によってスーザンの希望していることときたら無茶苦茶というか何というか。まあ、以前スペンサーとスーザンがしばらく別れていたようには深刻化しないのはわかるのでよいのだけれど、今になって作者がスーザンの内面的問題を解決しようとしたのはいったいどうしてだろう?スーザンという女性、精神科医なのに自分のこととなるとまったく分析できてないのだよね。スペンサーでないととてもではないけれど扱い切れないかも(笑)。まあ、雨降って地固まるというところか。この前夫氏には二度と作中で会わないことを期待しますよ。(2001.01.14)

『悪党』 (ロバート・B・パーカー) 感想

やりかたとしては少々アンフェアなような気もする。スーザンが養子をふたりで育てたいとスペンサーに希望するのとほぼ同タイミングでスペンサーが重傷を負うというのはちょっといただけない。そういうことではなくて、ふたりにはふたりなりの結論を出して欲しかった。スーザンというのは、なんというか何でもやってみないと納得できないというタイプの女性なのだろう。年齢を重ねてもそのことに変わりはない。じゅうぶんに思慮深く経験も豊富なのに時として子供のようにも思える。対してスペンサーはあらかじめ何かが判っているという男だ。困ったことにこのタイプの男は自分に判っていることをうまく女性に伝達することができない。スペンサーの怪我がなかったら、ふたりはいったいどうしたのだろうか?(2001.01.14)

『ライオンハート』 (恩田陸) 感想

作者本人があとがきで「SFメロドラマ」と書いている。うれしいねえ。これでもミステリに分類されていたらぼくは怒るよ(笑)。時間SFとしての出来はSF読みにしてみるといまひとつひねりが欲しいような気もしますが……。テイストとしては梶尾真治を読んでいるような気になりました。各編の題名は絵画に由来しているのですね。なるほど、絵画というのは時を生きたままに留めておく良質な方法ですからね。
「エアハート嬢の到着」不可思議な心踊る幕開け。ヒロインがいきなり……なのもさすがに時間テーマというべきか?
「春」これがいちばん時間SFしているか?美しいなんとも切ない話。人生のうち一瞬だけ出会うために生きている男女という設定はすばらしい。
「記憶」時を超える物語を収斂させるには偶然を装うしかないか?いや、ほんとうに<今>運命とやらをふたりは手に入れることができたのか?(2001.01.14)

『幻の声 髪結い伊三次捕物余話』 (宇江佐真理) 感想

いいですねえ。どうもこのシリーズ文庫化されているのはこれだけみたいで、思わずハードカヴァーの奥付を本屋で確認して次がいつ文庫化しそうか計算してしまう。
同心の不破の手先を商売のかたわらにつとめる髪結いの伊三次と、深川芸者のお文の濃い模様をおりまぜながらの捕物帖。<余話>であるのは、伊三次が捕物をするわけではないからかな?とにかく、なんというかどの話も艶めいていてよいですね。
「幻の声」表題作。女性心理かくも不可解なり。男などには解せぬものなり。
「赤い闇」何を信じるかというのはとても難しい。人はときに信じたいことを信じるのだろう……。だとすれば、信じたくないことは信じない、そういうことか?
「星の降る夜」どうも、登場人物のだれにとっても辛い話ではある。とりわけ不破の妻のいなみの身の上話などは……。九両三分二朱か……。それでも人の世は捨てたものでもあるまいよ。(2001.01.14)

『グイン・サーガ76 魔の聖域』 (栗本薫) 感想

巻頭のカラーイラストに度肝を抜かれる。ぬはははははは。ウマと馬とは似て非なる生物なんだっけ?だとすると馬頭でなくウマ頭か?とか、「南方に住むときくエルハン」ってのは、象なのね、とか。いやいや、豹とか竜ならまだしも、これは無気味だ。笑うようなシーンでないことはわかっておるのだが……。
物語は混迷の度合いを増してまいりましたね、この巻のラストシーンの意味するところは、いったい……起こるべきことが起こったにしてはあっけない描写だから、そうではないと思うのですがね???(2001.01.08)

『江戸の子守唄 御宿かわせみ(二)』 (平岩弓枝) 感想

「江戸の子守唄」うーむ、はやくも子供のことが話題になっている……しかし、このシリーズのラインナップを見る限り東吾とるいに子供ができるのは、まだまだ先のはず、どのような紆余曲折があるのか?
「迷子石」身にしみる話です。やりきれんなあ、こういうの。狂気と正気の境は、じつに身近にあるのでしょう。
「七夕の客」これもまた、やりきれない。毎年、七夕の夜にきまって宿を予約する色恋とも思えない男女というのが、なぞめいておりますね。(2001.01.08)

『御宿かわせみ』 (平岩弓枝) 感想

あまりにも有名な捕物帳ですが、今までとびとびにしか読んだことがありませんでした。またシリーズものを、少しずつ読んでいく楽しみがもてますね。かわせみの女主人るいと東吾の恋の行方についても気になるところです。
「初春の客」うーむ、いきなりこういう話だっていうことに意表を突かれたというか、もっとストレートな捕物なんだと思っていました。
「秋の蛍」このあたりまでくると、登場人物たちの立場も飲みこめて、安心して読めますね。しかも大岡裁き……とはいわないか。よいですねえ。
「倉の中」と思ったら、これはシビアです。硬軟とりまぜてあって飽きないですね。(2001.01.08)

『雨の山吹』 (山本周五郎) 感想

周五郎って一冊読むと、もう一冊続けて読みたくなりますよね。というわけで、これ。
「喧嘩主従」武家物ですね。そこはかとないユーモア。こういう上司だと仕えがいもあるというものだが……。また、この主であるからこそ従が生きるというもの……ふう。なかなかこうはいきますまい。
「山茶花帖」武家の夫婦を描いた作品も周五郎には多いと記憶している。これがけっこう好きなのであるよ。男はかくの如く剛直でないとね。
「雨の山吹」表題作。この味わいってのはもう少し年をとらねばほんとうのところはわからないのだろうか?悲哀の種類がぼくにはきっと頭でしか判ってないのだね。(2001.01.08)

『柳橋物語・むかしも今も』 (山本周五郎) 感想

「柳橋物語」ふと答えてしまった若さゆえの言葉に翻弄される女性の運命……これ、最近TVドラマでやっておったのですか?見てないけど。どうりで本屋に山のように積んであるわけだ。しかし、これ、今までぼくが読んだことのある周五郎作品と比べるとかなり物語としてハードなつくりになっておりますね。とりわけラストシーンは清清しくはあるけれど、やはりきつい。若い女の子なんかは、もしかするとこういうのを笑いますかね?いい話なんだが……。
「むかしも今も」このほうが、周五郎作品らしいですね。まあ、けっきょくは同じことの裏と表を言っているのですけど。苦労を重ねた登場人物には、できれば幸せになってほしいもんです。(2001.01.08)

『上と外 3 神々と死者の迷宮(上)』 (恩田陸) 感想

うーん、こういう出し方をするなら、(上)はないでしょう、(上)は……。ちゃんとサブタイトルに凝って欲しかったなあ、なんていうのはわがままか。とにかく、これにて主人公たちは不可思議な世界についに足を踏み入れたわけですね。しかし、これ、いったい革命とどうかかわってくるのか?どう、収拾させるのかが楽しみですね。 (2001.01.08)

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