『戦国自衛隊1549』
家族で戦国自衛隊1549を観にいきました。昔、半村良原作の『戦国自衛隊』が映画化されたことがありましたが、当時原作のファンだったぼくはその映画に大いに不満を感じました。なぜなら、原作で緻密に組み上げえられていたタイム・パラドクスが、映画にはほとんど生かされていなかったからです。「歴史は俺たちに何をさせようとしているのか」というのが当時の宣伝文句でしたが、あの映画だけでは、その回答を得られるとは思えませんでした。
対して、今回のこの作品は、自ら<信長である>ことを<自覚>している的場一佐の存在と、それを認めない鹿島たちロメオ隊がきちんと対置されていて、無理なくパラドクシカルな世界に浸ることができました。<力こそが正義>というのは、じつに信長的な考え方だと思います。彼が他の戦国武将のように将軍宣下をよしとせず、天皇制を否定し、専制君主への道を歩んだであろうとの学説は枚挙に暇ないと思います。そして、それはもしかしたら現実の歴史において光秀が主に叛旗を翻した理由でもあったのかもしれません。かつて的場一佐が率いるFユニットのNo2であった鹿島に光秀を重ね合わせてみると面白いのではないでしょうか?ラストシーンで、ロメオ隊の残存全員が鹿島に敬礼をする中、笑ってうなずくだけで絶対に答礼しない彼がとても印象的でした。
不正な力を抑止するためにやむをえず力をもってしないとならない場合もあるでしょう。しかしながら、それは力が正義であることとはけっしてイコールではないのです。力は使いようで善にも悪にもなります。力を恃み、それを信奉するようになった歪んだ姿こそが的場一佐=信長なのでしょう。
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