『男の操 (下)』 (業田 良家) 感想
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![]() | 暗黒神殿 アルスラーン戦記12 田中 芳樹 丹野 忍 光文社 2006-12-07 by G-Tools |
【感想】
王の王たるの資質とは何か、ということがこの巻には繰り返し出てくる。まずは7月30日の報告会のシーン。「母上の涙より民衆の血を重んじる」というところ。それから、ナルサスとの対話。「私は民衆の道具だと思っている」。最後に「私は宿命という言葉が、あまり好きじゃないみたいだ」というところ。
これらは、アルスラーンの気質を明瞭に物語っているし、得がたい良さだとも思うのだが、あまりにも真っ直ぐにすぎると思ってしまうぼくは、ひねくれているのだろうか?無私にして公平、そして他人をあてにしない。全然違うタイプなのに、なぜかヤン・ウェンリーを思い浮かべてしまうのだよ。善人は長生きしないというが、こういう王様には末永く善政をしいてもらいたいもんですね。
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![]() | 機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (14) 安彦 良和 角川書店 2006-12-26 by G-Tools |
【感想】
「シャア中尉の機体って…バーニアは普通だろ どうしたらあんなに速くなるんだ」 という箇所。わかってないなあ。3倍の速度を出すには、もちろん赤く塗らないとならんのだよ、と思いませんでしたか?思いませんでしたか、ああそうですか(笑)。
ところで、陰謀うずまくルウム編ですが、けっきょく戦争は人々の愚かさで継続されたということですね。とくに、レビル将軍は、何をいったいどう思ってあの会見を行ったのだろうかな?思考のプロセスがいまいち納得できないのだけれど。何か大きく勘違いしているのか、それともデギンとした話で嘘をついたのか……。読みようによっては、どうとでもとれるけれど、間違いないのはデギンもレビルも等しく愚かだということだな。
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![]() | 機動戦士ガンダムさん (つぎの巻) 大和田 秀樹 角川書店 2006-12-26 by G-Tools |
【感想】
さいしょの巻 ほどのインパクトを感じないのは、読む目がなれてしまったからか。とはいうものの、「隊長のザクさん」なんかは、ひじょうに身につまされる話である。わかる、わかるなあ、という感じ(笑)。とくに、「自分の仕事だけやってりゃよかった頃なら ま 完璧とまでは言いませんけど それなりにキチンとこなせたと思うんですよ」、のあたりかな。これ、共通の思いなんだろうなあ。
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![]() | タイスの魔剣士―グイン・サーガ〈111〉 栗本 薫 早川書房 2006-12 by G-Tools |
【感想】
買う時に、表紙のこれって誰だよ。アルド・ナリスの亡霊かよ、と思いましたが、そうではありませんでした。この調子だと、あと2~3巻はタイス編が続きそうですね。だんだんとグインが正体を隠せなくなってきているし、記憶もおぼろながら戻ってきているようだし、どうなるでしょうね。とにかく、グインがグインであると自覚できたのは、今回大きな進展なんでしょう。
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![]() | ふたつのスピカ 11 (11) 柳沼 行 メディアファクトリー 2006-11-22 by G-Tools |
【感想】
自分から何かをはじめなければ、ぜったいに始まりはしない。そして、始めてさえしまえば、必ずいっしょにいてくれる仲間がいる。でもなあ。それって、ものすごく勇気がいることだと思うのだ。勇気を持てるかどうかっていうのは、やっぱりとても大切なことなんですよね。その勇気をくれるのが、友達。なんだか、メビウスの輪のようだ。友達がいるから勇気を持てる。勇気をくれるのは友達。
ああ、そうか。友達を待っていてはだめなんだな。そう、その通りだと思う。「ともだちを貶されたら、怒るのが普通でしょ」なんていうようになったマリカのようになることができればよいのにね。
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![]() | 男の操 上 (1) 業田 良家 小学館 2006-11-30 by G-Tools |
【感想】
五木みさお は売れない演歌歌手。ただ一曲の持ち歌「男の操」を街頭や健康ランドで営業してまわる日々。しかし、彼にはいつかは紅白に出演するという夢があった……。
何気なく立ち読みしはじめた「ビックコミック」の連載だけど、ここまではまるとは自分でも思っていなかった。すでに鬼籍の人でありビデオでのみしか登場しないのに、生きている人以上にみさおを気遣い、時にはアクロバティックなリアクションをする妻の純子さん。もしかしたら、みさお以上に演歌の心を掴んでいるんじゃないかと思える娘のあわれちゃん。なぜか、みさおをいびり続ける芸能プロの深情社長。そして、みさおの様子を盗み聞きしている、隣の万田さん。登場人物たちは一癖も二癖もあるのに、それでもみさおの歌が大好きなのだ。
最初は単なるシュールな話としか思ってなかったのだけれど、後半のあまりにも静かで深い盛り上がりは、いったい何なのさ。あれは、最初から計画されていた結末だったのだろうか?そうだとも思えるし、そうではないとも思えるのだな。不覚にも、そう不覚にも感動してしまい、最終回を迎えるまでの何回かは「ビックコミック」を読むのがとても楽しみだった。
下巻が12月26日発売なのは、深謀遠慮ですね。ふだんは紅白の、それも演歌のところはほとんど見ないのだけれど、なんだか今年は見てみようかな、とか思っている。もちろん、下巻はしっかり買う予定。
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![]() | ウルトラマンTHE FIRST (2) 高田 裕三 角川書店 2006-12-01 by G-Tools |
【感想】
これもずいぶん待った第2巻です。「ミロガンダの秘密」編と「バラージの青い石」編を収録。前者は、後半部分がかなりアレンジされてます。しかも、このラストシーンは!思わず唸りますね。後者は最後までは収録されていないので、欲求不満になりました。しかも、いちばんいいシーンで切れてる。このあとどうなるのよ?いつまで待てばコミックスの次が出るのよ?
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![]() | キカイダー02 (7) 石ノ森 章太郎 MEIMU 角川書店 2006-12-01 by G-Tools |
【感想】
掲載雑誌が休刊したりで延び延びになっていた最終巻。前巻から2年半か……。待ったかいがあって、なかなかに衝撃的な展開です。とりわけ、光明寺博士の思う「良心回路」の意味あいには、考え込まざるをえないと思いますね。
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![]() | 鋼の錬金術師 15 (15) 荒川 弘 スクウェア・エニックス 2006-11-22 by G-Tools |
【感想】
そうか。前巻末のホークアイ中尉の背中は、そういうことだったか。
「私が道を踏み外したら その手で私を撃ち殺せ」か。イシュヴァールの惨劇がロイ・マスタングに残した何かは、エルリック兄弟が背負うものに勝るとも劣らないということだ。だからこそ彼は「焔の錬金術師」たりえるのだな。
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![]() | 仮面ライダーSPIRITS 11 (11) 石ノ森 章太郎 村枝 賢一 講談社 2006-11-22 by G-Tools |
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![]() | 手紙 東野 圭吾 文藝春秋 2006-10 by G-Tools |
【感想】
直貴のもとには、彼の大学入学金欲しさに強盗殺人の罪を犯した兄から毎月手紙が届く……。重い話です。直貴の人生の転機ごとに、彼が強盗殺人犯の弟だという事実がついてまわるわけですから。人間というのは、自分とはちょっとでも違う者に対しては容赦がありません。その容赦のなさがこれでもかこれでもかと直貴を苦しめる。差別のない世界なんていうのは、しょせんは幻想なのかもしれない。
犯罪を犯すと、その家族がどうなるのかということを克明に描き出しているわけですが、直貴自身はいろいろな才能にめぐまれた人間です。これが、もしも自分のようなふつうの人間であれば、直貴ほどの行動ができるのかということを考え考え読みました。ただ、最後の最後まで、ぼくにとっては謎だったのが、由実子という女性です。直貴自身も含め、他の登場人物たちの行動には大いに共感することができるのですが、由実子の行動にだけは不自然さというか納得できない点が多すぎました。ふつう、人はそうは動かないだろう、と思ってしまうわけです。もっとも、限りなく残酷になれるのも人間ならば、由実子のように限りなく優しくなれるのも同じ人間であるのかもしれません。
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![]() | 邪魅の雫 京極 夏彦 講談社 2006-09-27 by G-Tools |
【感想】
発売日当日に買ったわりには、最初の何十頁かがまったく頭に入らずに何度か読み返したりして、かなり時間を食ってしまった。どうもよく人間関係が飲み込めんな、などと思っていたのだが、そもそもそういう話だったのだな。いつもに比べると、事件がなんとなく地味なような気もするがどうか?それとも、地味な感じなのは榎木津が表面に出てこなかったせいなのか?シリーズの中で榎木津が果たしている役割に、これまでいささか釈然としないものを感じていたのであるが、してみると物語の中でもふれられているように、京極堂と榎木津はセットで考えるべきであるのか?いずれにせよ、榎木津とは何者であるのかをこれまでにも増して考えさせられたようである。
それと、本筋とは関係なく、肚に響いたのが藤村老刑事の言葉。とりわけ「要はな、それぞれが肚据えてりゃ済むことなんだよ。足が確乎り歩いてりゃ頭が四つあったって転びやしねえのだ」という箇所。まこと汗顔の至り。そのとおりだな、と思う。思うがなかなかその心境には達さない。
今回、本を購入したのとは別の書店で「平成十八年度版 京極夏彦全作品解説書」という冊子をいただくことができました。この小冊子、店頭に並んでいたり、購入時に配布したりと書店毎に対応はさまざまのようでした。あやうく入手し損ねるところでしたよ。
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![]() | 快楽の都―グイン・サーガ〈110〉 栗本 薫 早川書房 2006-10 by G-Tools |
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![]() | ウルトラファイト番外地 唐沢 なをき 角川書店 2006-08-26 by G-Tools |
【感想】
『ウルトラファイト』をネタにしたコミックス。『ウルトラファイト』が記憶にある方ならば、なおいっそう楽しめるのだろうが、これ単体でももちろん面白い。『ウルトラファイト』という番組はじつは観た記憶があんまりないのが悔しいぞ。平日の帯番組で夕方にやってたとのことなんだが、それだったら観てないわけなんだがなあ。関西では放送時間が異なったりしてたのか?何度か観たそれは、朝にやってたという記憶があるのだが????
このコミックスを読んで、『ウルトラファイト』のDVD欲しくなったけど、BOXでしか売ってないのだね。ちょっと手が出ないのが更に悔しく、渇望感に似たものすら感じてしまう。ウルトラファイト造型の限定ソフビつきのアルティメットBOXなんてのもあるのか。
![]() | ウルトラファイト スーパーアルティメットBOX 特撮(映像) ユニバーサルミュージック 2006-06-28 by G-Tools |
![]() | ウルトラファイト DVD BOX 特撮(映像) ユニバーサルミュージック 2006-06-28 by G-Tools |
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![]() | 墓場鬼太郎 (2) 貸本まんが復刻版 水木 しげる 角川書店 2006-09-22 by G-Tools |
【感想】
2巻になると、今の鬼太郎に近づいた感じになりますね。少なくても、1巻のオドロオドロした感じはありません。ねずみ男は馴染み深い姿になりつつあるし、児啼爺や砂かけ婆、塗壁もすでに登場している。おどろいたのは、猫娘ですよ。最初はこんなだったのか、うーむ。これは、見知っている今の猫娘と同一人物なのだろうか?3巻が楽しみです。
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![]() | 風の影〈上〉 カルロス・ルイス サフォン Carlos Ruiz Zaf´on 木村 裕美 集英社 2006-07 by G-Tools |
![]() | 風の影〈下〉 カルロス・ルイス サフォン Carlos Ruiz Zaf´on 木村 裕美 集英社 2006-07 by G-Tools |
【感想】
1945年のバルセロナ。もうすぐ11歳を迎える少年ダニエルは、古書店主である父に連れられて、『忘れられた本の墓場』を訪れる。父は言う「この場所にはじめて来た人間には、ひとつきまりがある」と。それは、一冊の本を選び、それを一生大事にするというものだった。ダニエルが選んだ本は、フリアン・カラックス作『風の影』。謎の作家カラックスにダニエルは魅かれていく……。
少年時代に出会う本というのは特別なものだ。本好きの人であれば、たいていそういう記憶を持っているに違いない。あの時、あの本に出会わなければ今の自分はないのではないか?そう感じるであろう。この物語の主人公ダニエルの場合は、そうした作用がさらに大きく働く。『風の影』を手にした時から運命が大きく動きはじめ、まるでカラックスその人の運命を辿るかのように混沌としていく。単純に面白い話ではないと思う。軽く読み飛ばすような話ではないということだ。重厚な物語に耽溺し、頁を繰るたびにためいきをつきたい人向きである。<この一冊が、そんな魔力で、以来ずっと、ぼくを虜にしつづける本になる> そう、そんな魔力を秘めた物語であると思う。
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![]() | 強殖装甲ガイバー (24) 高屋 良樹 角川書店 2006-09-21 by G-Tools |
【感想】
敵がどんどん巨大化していきますね。しかし、獣神将がこうも人数欠けてくると、アルカンフェルの他に12人揃ってどうのという設定が今後どういう方向に向かっていくのか興味深いです。獣神将といえば、何巻か前で生きていることが判明したギュオーとか、その後出てこないけどどうなったんだろう?
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![]() | λに歯がない 森 博嗣 講談社 2006-09-06 by G-Tools |
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![]() | にしむく士(さむらい) (3巻) 大和 和紀 講談社 2006-09 by G-Tools |
【感想】
この三巻にて完結。コメディではあるのですが、考えさせられる箇所もあったりしました。「退屈だからこそ見えてくるもの」大切にしたいものです。
第19話の狐のお面に、『アラミス'78』のMessage15「悲劇はスキップで」での仮面舞踏会をちょっと思い出したり。過去回想ものとお面はセットなのか……。まあ、そうしないと、顔を知っていたことになって成り立ちませんものね。
![]() | アラミス’78 (2) 大和 和紀 講談社 1997-04 by G-Tools |
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![]() | みきおとミキオ 藤子・F・不二雄 小学館 2006-09 by G-Tools |
【感想】
ずっと昔に読んだ記憶があって、懐かしい気持ちになりました。ドラえもんのように特別な力を持った登場人物はいなくて、あくまでも現在のみきおと100年後のミキオの日常のギャップをテーマにしているところが面白いですね。巻末にダイジェストが掲載されている収録を割愛された話も読んでみたいですね。
あと、文庫化していない作品としては『バケルくん』とかがあると思うのですが、予定はないのでしょうかね?
![]() | バケルくん 1 (1) 藤子・F・不二雄 小学館 2005-02-01 by G-Tools |
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![]() | 黒く塗れ―髪結い伊三次捕物余話 宇江佐 真理 文藝春秋 2006-09 by G-Tools |
【感想】
・「蓮華往生」 生まれてくる方法は選べぬが、死に方は選びたいと思うが人情か。生死の対比が鮮やか。
・「畏れ入谷の」 <奉公していたお屋敷のお殿さん>とぼかすあたり、伊三次らしい。上司の悪口を言うときにイニシヤルで呼ぶようなものだ。こういう話はやりきれぬ。
・「夢おぼろ」 これはぜひ後日譚が読みたい話。これはこれで、うまくいくのではないかな。「畏れ入谷の」が重かった分、ちょっと救われた気分になった。
・「月に霞はどでごんす」 <月に葦、浮いたばかりの土左衛門>は、半村良氏が色紙によく書かれた句であったと記憶する。「およね平吉時穴道行」では、この句は平吉の作にしてあったか?それとも、平吉は大川に月がかかった絵を描いて、それに京伝が句をつけたのであったか?記憶さだかならず。
これにて無事に伊与太が生まれ、物語は別の局面に入っていくのだろう。このシリーズに艶っぽさは欠かせぬと思うので、そのあたりとのバランスを期待している。
・「黒く塗れ」 面白い題名だ。しかもオカルトもの。シリーズのこの一筋縄ではいかないところが好きなのである。
・「慈雨」 『さんだらぼっち』の一編「ほがらほがらと照る陽射し」の後日譚。この<陽射し>がやけにつらかったのに比べ、やさしい<慈雨>で締めくくられる。伊三次の立場と心境の変化がなければ、でもこうはならなかったのではないかと思う。「そなたは神か仏か」か。人はけっきょく自分自身ですべてを決めるしかないのだ。
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![]() | 眠らない少女―高橋克彦自薦短編集 高橋 克彦 角川書店 2006-08 by G-Tools |
【感想】
自薦短篇集。作者の様々な面がこの一冊で楽しめる。
・「眠らない少女」 ラストがいささか強引な気もするのだが、それにしても怖ろしい。 この編のメインとなるテーマが、その後さまざまに形を変えて氏の短編にあらわれていることを考えると興味深い。
・「卒業写真」 これなどは、自分の身にも起こりそうな気がする。人の記憶の曖昧さ、不可思議さについては、高橋作品を読むたびに思い知らされる。
・「歌麿の首」 題名の通り浮世絵もの。この方面の作品が多いのだし、面白い。むしろ、ぼくのように記憶シリーズから読み始めたというほうが珍しいのか?
・「子をとろ子とろ」 怖いというよりは気持ち悪いという感じ。こういう生理的嫌悪感と精神的怖さが絶妙にまざっている。取材をもとにした、などと言われるとなおさらである。
・「星の塔」 既読。感想はここに。
・「ゆきどまり」 何度も読み返したのだが、読み返すたびに混乱した。時間的な混乱も、氏の作品に特徴的な性質だと思う。
・「ねじれた記憶」 既読。感想はここに。大好きな作品です。
・「紙の蜻蛉」 幼い少女の中に甦った江戸時代の人形師を主人公とした『ドールズ』というシリーズの一編とのこと。面白い設定である。人形師・目吉と少女・怜の落差がよい。輪廻転生もので、こういうシリーズがあるとは知らなかった。ぜひ、別の作品も読んでみたいと思う。
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![]() | 霧の訪問者 薬師寺涼子の怪奇事件簿 田中芳樹 講談社ノベルズ 講談社 2006-08-25 by G-Tools |
【感想】
このシリーズは、毎回モンスターが敵役というのが定番なんだけれど、そういう意味では今回はちょっと迫力に欠けるというか、お涼がパワーを持て余し気味では、と思ってしまった。まあ、それは、「霧の訪問者」の怪物の設定がああなのだから、仕方ないのか。というか、げに恐ろしきは人間の欲望といったところか。
お涼に対する泉田のボケぶりは健在。「何よ、あたしが列車に乗るのはおかしいとでもいうの」「うるさいな、いろいろとつごうがあるの!」くらいのところが可愛くてよい。「モットダイジナトコロデドウシテドウサツリョクガハタラカナインダ」になると行きすぎかなあというか、これで<よく意味のわからないつぶやき>にされてしまうと、お涼が可哀相な気もします。
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![]() | 仮面ライダーSPIRITS 10 (10) 石ノ森 章太郎 村枝 賢一 講談社 2006-08-23 by G-Tools |
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![]() | にしむく士(さむらい) (2巻) 大和 和紀 講談社 2006-08 by G-Tools |
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![]() | 愛のひだりがわ 筒井 康隆 新潮社 2006-07 by G-Tools |
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![]() | にしむく士(さむらい) (1巻) 大和 和紀 講談社 2006-08 by G-Tools |
【感想】
ユーモア時代劇なんだけど、その中でも人生の真実を突いておるなあ。深い。こうしてみれば、下級武士などというのは、現代のサラリーマンとご同様なのだよね。これ読んで思うのだけれど、やはり上司にはめぐまれたいものですね。
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![]() | ポットショットの銃弾 ロバート・B. パーカー Robert B. Parker 菊池 光 早川書房 2006-08 by G-Tools |
【感想】
スペンサー版『荒野の七人』なのだそうだ。ホーク、ヴィニイ・モリス、ボビイ・ホース、チョヨ、バーナード・J・フォーチュナト、テディ・サップ。ホークとヴィニイ以外は常連というわけではないが、一癖も二癖もある連中ばかりである。ほとんど読んでいて楽しいのだが、中に「パールは老いてきた」という箇所があり、スペンサーとスーザンが「死」について話し合うのが、ちょっとショッキングだった。
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![]() | 豹頭王の挑戦―グイン・サーガ〈109〉 栗本 薫 早川書房 2006-08 by G-Tools |
【感想】
<豹頭王の挑戦>……この巻に挑戦という題名をつけるなんて、なんて挑戦的なんでしょう(笑)。作者曰く「いっぺんやらせてみたかった」ということで、ちょっと躁状態なのかも。豹頭王を演じる大道芸人に化ける!大胆不敵な面白企画ですが、このあとどう収めるつもりなんでしょう。
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![]() | あの日にドライブ 荻原 浩 光文社 2005-10-20 by G-Tools |
【感想】
うーん。この男、とりあえずサラリーマンに向いてません(笑)。せっかく勤めていた銀行を、ちょっと上司に逆らってやめる破目になり、つなぎのつもりでタクシードライバーになる、と。人生をなめているなあ、と、そう思ってしまいます。
自分の能力はこんな会社で浪費される程度のものじゃない。どこかに別天地があるはず。なんて、まあサラリーマンだったら誰でも考えたことはあるのでしょうが、この主人公の勘違いは根深いものがあります。だいたい、辞めたところのブランドを別のところに就職してまで引きずっているあたり共感しにくいものがあります。別天地に行きたいなら、それだけのことをやらないとね。
まあ、そこのところも作者の計算ずくではあります。あるきっかけで、タクシーの運転という仕事に興味を持ち、同僚たちもそれぞれの事情をかかえているのだと知る。家族とも向き合い直す。そうそう。仕事って、向き合い方と人間関係によって、同じことをやっていても、それが楽しかったり、反対に苦しいだけだったり、妙なものです。まあ、だからラストのしかえしは、ちょっと微妙かなとは思いました。
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【感想】
マーロウに憧れても、日本人ではさまにはならないのかもしれないな、と思う。でも、その、さまにならない部分こそが、日本人の日本人たる所以ではなかろうかな。ハードボイルドになりきれずに、ところどころに浪花節が混じるあたりが、いい匙加減です。主人公はほとんど動物探し専門になりかかっている探偵。おしかけてきた「美人」秘書は……。そして、心を癒すために立ち寄るJの店には、なぜかおでんが。
この、なりきれない部分のユーモラスさを、なぜか自分に重ねてしまうのだなあ。人生は、チャンドラーのようにはいかないけれど、それでいいんじゃなかろうか。そして、じつは、この人生のほころびみたいに思えるユーモラスな部分こそが、じつは悲哀そのものだったりする。終盤は、ちょっと寂しい感じがしたですよ。
ひとつだけ苦言を呈すれば、ハードボイルドを気取るなら、ピースライトじゃなくてゴロワーズくらいは吸ってほしいものだと思います(笑)。
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![]() | 機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (13) 安彦 良和 角川書店 2006-07 by G-Tools |
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![]() | 鋼の錬金術師(14) 初回限定特装版 荒川 弘 スクウェア・エニックス 2006-07-22 by G-Tools |
【感想】
シン国皇子のリンの選択には、賛同しかねるな。なりふりかまわないというのは、たしかにやり方のひとつではあるけれど、いい結果を出せたとしてもその場限りのこと。先の先まで読みきる人間が、けっきょくは勝ち残るのではないだろうか?
親子対決だと前巻ラストで思ったのに、そうではなかったので、ちょっと残念。まあ、そうなった時には、物語は一気に終盤ということなんだろうから、喜ぶべきか。
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![]() | ウルトラマンSTORY0 3 (3) 真船 一雄 講談社 2006-07-21 by G-Tools |
【感想】
第9話「魂は永遠に」で敵の正体が判明。いや、まあ、円盤の形状からいって彼らに間違いないわけだけれど。そして、第10話以降はゴライアンとかザージとかオリジナルのウルトラマンたちが続出。どのように活躍させるか興味あるところだけれど、3巻ラストの影がタロウなんだとすると、これ以降レオとかアストラの登場はあるのかとか、そっちのほうが気になります。
光の国の住人たちがディファレーターの影響で超能力を得たのだとすると、タロウの場合はそれを人為的に起こしているわけなんでしょうかね?「神のみぞ知る」とかウルトラの父が言っておりますが、いささかむせきにんではないかと。
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![]() | 神様のボート 江國 香織 新潮社 2002-06 by G-Tools |
【感想】
新潮文庫の100冊というやつです。書店でこういうのが並ぶと夏になったんだなあ、と思います。ふだんは読む本の傾向が決まってしまっているので、たまには何か違ったものをと思って選んだ次第。
月並みですけれど、大人になるってのはもしかしたら不幸なことなのかもしれない、などと柄にもなく思ってしまいました。草子が、だんだんに母親から離れていく様子は、これが成長というものなんだなと頭では理解しながらも、なんだかつまらなく思ってしまったのですよ。それよりも、ある時間に留まり続けようとする、この母親葉子の静かな狂気のほうが、ぼくにはとてもしっくりとくる感じです。このラストシーンは、きっと現実の情景ではないのだけれど、真実の情景ではあるわけですね。ただ、それは葉子ひとりにとっての真実でしかない。そういうふうに誰かを愛する人がいるのだと思うと、それはとても怖いことのように感じます。
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![]() | 日本沈没 第二部 小松 左京 谷 甲州 小学館 2006-07-07 by G-Tools |
【感想】
第一部の世界より二十五年後を描く続編にして完結編。
続編はロシアかモンゴルあたりから始まるのだと、漠然とそう思っていた。第一部のあのラストシーンからして、そう考えたのだ。しかしながら、第二部冒頭は、かつて日本が存在した海域においての慰霊祭から始まる。パプアニューギニア、オーストラリアと視点を転じながら、その後の日本人たちとその政府のあり様についてが、淡々とした調子で語られていく。読みながら、『日本沈没』世界の日本人たちは、とてもよくやってきたと感じた。現実世界の日本人にここまでできただろうか?あるいは、70年代の大人たちにならできたのかもしれない。そう感じてしまったのである。この第二部は、現実世界に当てはめれば、まさに現代にあたるのであろう。そのことと、物語の後半で地球規模のプロジェクトに着手しようとする日本人たちとが、どうにもストレートに結びつかないのだ。優等生すぎると言えばいいだろうか。もちろん、大きな悲劇を経験した物語世界の日本人と、現実世界の日本人は違うといえばそうであろうが……。
さて、物語そのものは、首相となった中田や、渡の名を継ぐ者たちの視点を通して、十二分に楽しむことができた。日本が世界という舞台においてどのようにその役割を果たさなければならないかという点についても多くの示唆に富んでいる。第一部のようなスペクタクルはないものの、壮大さはいささかも第一部にひけをとるものではない。しかしながら、もっとミクロなところも書き込んで欲しかったと思うのは、読者の欲であろうか?とりわけ、小野寺のその後については、もう少し読みたいところであったし、渡兄妹をもっと活躍させて欲しかったという気もするのである。
沈没後の日本人たちがどうなるのかは、他の小松作品からおぼろげながら類推するしかなかった。例えば長編『果しなき流れの果に』では日本は二十一世紀の半ばに沈没したことになっている。<侮蔑と、優越感にささえられた憐憫と、かすかな恐怖や憎悪のいりまじった感情をこめて>日本人は他民族からヤップと呼ばれている。または、『日本沈没』と発表の前後関係を確認できなかったし、<ほろんでしまった>としか表現されてないのだが、「靴屋の小人」という短編では<働くことに呪われている>と評されている。掌編「夏の行事」では<日本列島が、まだ海の底に沈んでしまう前に>持っていた<古い宗教行事>が話題にされ、月面に<新日本市>の存在が言及されている。
これらの作品の存在によって、日本人は世界中に散り、受容れられることなく宇宙にその活躍の舞台を求めていくというのが、小松氏の構想に当初からあったことは、まず間違いないだろうと感じるのだ。物語の終盤、恒星間航宙船<蒼龍>において歌われる「君が代」は、誰に押しつけられたものでもなく、苦難の時代を経た<日本人>だけが得ることができた、ほんとうの国歌なのだ。
引用は
『果しなき流れの果に』(角川文庫版)
『小松左京ショートショート全集』(勁文社:「夏の行事」を収録)
『怨霊の国』(角川文庫:「靴屋の小人」を収録)
より
現在、「靴屋の小人」は『ホクサイの世界』で、「靴屋の小人」は『役に立つハエ』で読むことができます。
![]() | 果しなき流れの果に 小松 左京 角川春樹事務所 1997-12 by G-Tools |
![]() | ホクサイの世界―小松左京ショートショート全集〈1〉 小松 左京 角川春樹事務所 2003-02 by G-Tools |
![]() | 役に立つハエ―小松左京ショートショート全集〈3〉 小松 左京 角川春樹事務所 2003-06 by G-Tools |
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![]() | BASTARD 24―暗黒の破壊神 (24) 萩原 一至 集英社 2006-07-04 by G-Tools |
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![]() | ラジウム怪盗団現わる!/小惑星要塞を粉砕せよ!<キャプテン・フューチャー全集10> エドモンド・ハミルトン 野田 昌宏 東京創元社 2006-01-31 by G-Tools |
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【感想】
前作 『ブレーメンII』の最終巻より2年ぶりとなる、川原教授の新刊です。2003年から2006年にかけての連作「レナード現象には理由がある」「ドングリにもほどがある」「あの子の背中に羽がある」「真面目な人には裏がある」の4作。
『ブレーメンII』も面白かったけれど、ぼくとしては、こちらの方が好み。映画化された『笑う大天使』をはじめとした、あのころのテイストに近いものを感じました。どれも短編だけで終わらせてしまうのは惜しいように思います。表題作の飛島と蕨なんかは長編もいけそうだし、「あの子の背中に羽がある」の二人のその後なんてのは、ぜひ知りたいと思いますよ。
![]() | ブレーメンII (1) 川原 泉 白泉社 2000-04 by G-Tools |
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『新耳袋 第八夜』 (木原浩勝 中山市朗) 感想
![]() | 新耳袋―現代百物語〈第8夜〉 木原 浩勝 中山 市朗 角川書店 2006-06 by G-Tools |
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![]() | 噂 荻原 浩 新潮社 2006-02 by G-Tools |
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![]() | 誘拐ラプソディー 荻原 浩 双葉社 2004-10 by G-Tools |
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![]() | 神様からひと言 荻原 浩 光文社 2005-03-10 by G-Tools |
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![]() | ハガーマガーを守れ ロバート・B. パーカー Robert B. Parker 菊池 光 早川書房 2006-06 by G-Tools |
【感想】
途中何冊かをハードカバーの古本で読んだため、スペンサーを文庫で読むのはじつにひさしぶりです。というか、前作の『沈黙』を読んだのは、2001年の8月だから、じつに5年ぶりなのか。読む本が切れると、シリーズのどれかを選んで持ち歩くので、あんまりひさしぶりという気もしないのであるけれど。
なんでもいいけど、スペンサーもスーザンもいくつなのだろうな。読むたびにそれを考える。
こんな記述がある。「おれがきみを捜してここへ来た時以来、二人で来たことがあるかな?」「十五年前?」 あれから十五年経過していることだけは確かなようだ。
「私は、起きなかったこととして考えているの」というスーザンの身勝手な言い分も、あの後の時の流れを考えれば、なんだか許せてしまいそうな気がするのである。
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![]() | パロへの長い道―グイン・サーガ〈108〉 栗本 薫 早川書房 2006-06 by G-Tools |
【感想】
こんなところで、グインの出自に触れる話が出てくるとは思ってなかったです。なんたって、豹頭王はまだ記憶を取り戻してさえいないわけですからね。栗本さんが触れている枝サーガというのは、何のことなのでしょうか?グイン関係でいえば、『トワイライトサーガ』とか『パロスの剣』とかだろうけど、あまりに昔に読んだので、内容をさっぱり思い出せません。本筋には関係ないのでしょうが、何か気になりますね。
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![]() | パニックの手 ジョナサン・キャロル 浅羽 莢子 東京創元社 2006-05-27 by G-Tools |
【感想】
・「フィドルヘッド氏」長編の中の作中作なのだそうだ。これを含む枠物語というのがちょっと想像つかない感じ。ぜひ今度読んでみようと思う。
・「おやおや町」 神なんてものはこんなものなんだろうな。こういう話を読むたびにそう思う。<おやおや町>ってどういう意味だ??原文はどうなってるんだろ?"Uh-Oh-City"? 要するに"Oh My God"とは言ってないわけだな。
・「秋物コレクション」 しみじみといい。しかし、だとすれば人生を転換することの、何と容易なことであろうか。
・「友の最良の人間」 そのような世界でなおも生きたいとは、ぼくにはちょっと思えそうにない。ぼくは<最良の人間>ではないわけだ。
・「細部の悲しさ」 特別な才能。何者かに魅入られる……。しかし、
・「手を振る時を」うむ。人生は往々にしてこういうものだ。他にどうすればよいかは自明のことだと思うが、その立場にあれば、なかなか、である。
・「ジェーン・フォンダの部屋」 ぼくが選ぶのならば、何にするだろう?やはり特撮系か。どうして同じものを何度も何度も観るのかと、ふだんから言われているわけであるが……。
・「ぼくのズーンデル」 このあと主人公がどうするのかに、とても興味がある。世の中に<言い切れる>ことなんてないのに。
・「パニックの手」 子供の持っている夢は、なぜだろうステレオタイプ。大人になって思うあの頃は、オリジナリティに溢れている。いや、それも単なる妄想か。
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![]() | 夏期限定トロピカルパフェ事件 米澤 穂信 東京創元社 2006-04-11 by G-Tools |
【感想】
展開が早すぎる。ほころびを楽しむ物語だと1巻の後半でやっと思いあたったので、これはそういう読み方をしたのだけれど、さすがにちょっとこういう結末は思いつかなかったな。例えば、春夏秋冬の4巻で構成するのであれば、こういう展開は3巻あたりなのではなかろうか?小山内さんの過去であるとか、小鳩くんの過去であるとか、もうちょっと小出しに楽しませて欲しいのだが、とか思ってしまった。物語内時間で前巻から1年以上経過してしまっているのもびっくりした。1年生の夏ではなく、2年生の夏なのか。もったいないような気がするんだがなあ。
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![]() | 春期限定いちごタルト事件 米澤 穂信 東京創元社 2004-12-18 by G-Tools |
【感想】
「小市民」になりたい、などと声高に言っている時点で、そうではないというわけであるな。しかも、主人公の若さが手伝ってなのか、その願望はどうもうまくかなえられる方向には行ってないように思う。内に秘めたる才能がほとばしり出てしまうのだな。なんというか、自分の言動が誰か他人を傷つけただなんて、なんという傲慢な考えでありましょう(笑)。人間なんて、けっきょく自分自身をしか救えないのになあ。それに、自分でない何者かに憧れるのは若者の特権ではあるけれど、自分はけっきょく自分以外の者にはなれないのだと思うのですよ。自分としっかり対峙しないと、ほころびは大きくなっていくばかりだぞ。というわけで、読み始めた時にはちょっと乗り気がしなかったのだが、後半に入ってから俄然楽しめました。
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![]() | 仮面ライダーSPIRITS 9 (9) 石ノ森 章太郎 村枝 賢一 講談社 2006-05-23 by G-Tools |
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![]() | ウルトラマンSTORY0 2 (2) 真船 一雄 講談社 2006-05-23 by G-Tools |
【感想】
待望の第2巻です。
セブンとミクラスの出会いを描く第4話が熱いです。ミクラスといえば、よく言えば温和、裏返せば弱いというイメージがあるのですが、これはなかなかどうして。こういう、いい意味で旧来のイメージを裏切ってくれす話は大好きですね。
5~7話。帰マンが、自分のことを「ジャックとでも呼んでくれ」と自ら言っているのが、ちょっとどうだかなあ、とは思いましたが、話そのものは帰マンのスタンスがよくわかってよかったです。
そして、A編の前編?になるのでしょうか、第8話。これはまたいきなり急展開な……。こういう引きで、次の巻までまた長く待たねばならぬというのが、なかなかに辛いです。前後編きちんとセットで入れてくれませんでしょうかね?
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![]() | εに誓って 森 博嗣 講談社 2006-05-10 by G-Tools |
【感想】
Gシリーズ第4作。帯の煽り文句は地の文には入りません、ってことでよいか。
例のごとくによって、事件そのものは楽しく読むことができたのであった。しかしながら、なんだってεなのかというのは、4作目にして未だ消化不良。そして、海月及介の推理ロジックも謎のまま。こういう配置で延々と続けることが、何かの謎に……なっているんだろうなあ、やっぱり。
今回興味深かったのは、5章の冒頭あたり。「わからないから美しい」というのは要するに、解くという行為の継続によって他者との関係性を持続することができるからじゃなかろうか?でなければ、それこそ「死んでいるのと同じ」であろうな。あるいは生きているのと同じなのかも。まあ、「置き土産」が犀川の中で正確にシュミレートされているかどうかは、凡人には窺い知れないが。彼女はいつまで「待っている」のであろうな?この架空対話の箇所、シッダールタとゴーヴィンダのようだな、とも思う。問題は、どちらがシッダールタであるのか?ということになるのであろうか。
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【感想】
前作『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』よりは、じゃっかんページが少ないためか、手に持っても重量的にはさほどではありませんね。
さて、この巻を読了した感想ですが、『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』を初めて観て、おあずけを食っていた時の気分に近いですね。もどかしい(笑)。今回引かれた伏線が何も解決してないのだから当たり前か。
日本語題名が『混血のプリンス』と予告されていたのに『謎のプリンス』に変更されていて、やはり『混血』はまずいのかと思っていたのですが、本編を読んで納得しました。『混血』では誤訳になるのですね。本編では『半純血』と訳してありますが、なるほど意味としてはそうなのでしょう。でも、そのまま題名にするには苦しい。題名の変更は苦渋の選択なのかもしれません。
さて、今回後半は怒涛の展開ですが、ダンブルドアがあのままとは信じられません。最終章での大どんでん返しは常套手段ですよね。大どんでん返し……焼け焦げた右手は使えないが、じつはダンブルドアは左利きだったのだ!とか。すいません。わかる人だけわかって下さい。昔、そういう悲劇のヒーローがいたのです(笑)
あと、ぼくとしては、ヴォルデモートとの対決より、大人になっていくハリーたち、特にハーマイオニーとロンがどうなるのかのほうに興味がありますね。
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![]() | 機動戦士ガンダムTHE ORIGIN (12) 安彦 良和 矢立 肇 富野 由悠季 角川書店 2006-04-22 by G-Tools |
【感想】
12巻購入。やっと出版ペースに追いつきました。アニメのストーリーの隙間を埋めるような物語は毎巻とても興味深いですね。とりわけ、今回はララアとシャアの出逢いが入っています。なんだか想像していたのと全然違うし、ララアってもっと物静かな感じだと思っていたのです。ううむ。ここから先、どうなるのでしょうね。
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![]() | ドリームバスター〈3〉 宮部 みゆき 徳間書店 2006-03 by G-Tools |
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![]() | 百鬼夜行抄 (14) 今 市子 朝日ソノラマ 2006-04-22 by G-Tools |
・「番人の口笛」 綺麗な表現をすれば恋は何物にも勝るというところ?げに恐ろしきは女かな。
・「天上の大将」 尾白・尾黒のでこぼこコンビにこんな悲しい過去があったとは。だからこその現在か。深い。
・「床下の賢人」 律は真面目に勉強すればするほど裏目に出るタイプですね。
・「介添人」 蝸牛の若かりし頃のエピソード。まだまだ波乱がありそうですね。
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![]() | 流れゆく雲―グイン・サーガ〈107〉 栗本 薫 早川書房 2006-04 by G-Tools |
【感想】
まだまだ旅は続くよという雰囲気の題名なのですが、中身的には皆が家に帰ってくるというノリです。イシュトヴァーンも帰国、ヴァレリウスとヨナも帰国。旅を続けているのはグイン一行のみですが、表面には今回は現れずじまいでした。「ちょっと一休み」とは作者の言ですが、内容的には一歩前進といったところでしょうか?イシュトヴァーンは国造りに本気のようだし、<パロ中興の祖レムス>という伏線がどうなるのか、これでやっと示されたことに。。しかし、となればリンダの身の振り方というのは、とても気になるところでありますね。自分が<乙女>であることをリンダがきちんと理解していることが、今回やっと判断できてほっとしました。
ところで、<闇の王子と光の王子>ってのは誰を指しておるのでしょう。前者がドリアンで後者がスーティだと、ストレートすぎですか。ドリアンは<光の公女>アムネリスの息子なのだから、後者がドリアンだったりすると楽しいが。まあ、いくらなんでも、それはないでしょう。というか、パロがらみの話でそのふたりというのもどうかと思うし。はてさて。
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![]() | アイソパラメトリック 森 博嗣 講談社 2006-03-15 by G-Tools |
【感想】
これも『悪戯王子と猫の物語』と同様、書店で指をくわえて立ち読みせざるを得なかった一冊。概して、貧乏性なので、文字数が少ない本の購入は後回しにしてしまう。いやだいやだ。
何か風景を見るとき、人はきっと知らず知らずにそこに意味づけをしているのだと思う。だから、同じ風景をいっしょに眺めようと、そこに見出す意味は自ずと異なったものになる。しかしながら、同じ風景に感動を共有する時、そこに見出すものがまったく完全に異なっているかというと、そんなこともあるまい。似通っているはずではなかろうか?また、そう信じるからこそ、誰かと同じ風景を眺めたい、などと人は思うのだろう。だが、ここに掲載された写真の数々を見る時、そのささやかな思いが、足場から揺らぐのを、じつは感じるのである。この写真にどうしてこういう題名がついておるのだろう?どういう思考をたどればそこに行き着くのだろう?写真は、具体的な事象をしか切り取ってはいないのだが、そこに作者はいったい何を見出しているのだろうか?まあ、類推すら難しいものもあるのだが、ふと何かに行き当たって、思わずにんまりしたりもするのである。
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![]() | 悪戯王子と猫の物語 森 博嗣 ささき すばる 講談社 2006-03-15 by G-Tools |
【感想】
やっぱりハードカバーで買っておくべきだったかな、とちょっと後悔。どうにも貧乏なので、文字数が少ない本は立ち読みで済ませる傾向にあるのです。これも何年か前に出た時にちょうどお金がなくて、本屋さんで読んでそれきりになっていたもの。デカダンな雰囲気のイラストがとても好みなのです。文章を読みながらイラストを眺め、二度目からは文章は頭の中に置いたままにしてイラストだけを眺めてページを繰る。あるいは、その逆にイラストの細部を目に焼き付けておいて、文章のみを追う。そして、もう一度イラストを眺めながら文章を読む。何度でも愉しめるのだから、やはりハードカバーで買っておけばよかったのです。
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![]() | あやめ横丁の人々 宇江佐 真理 講談社 2006-03-15 by G-Tools |
【感想】
婿入りの日、踏み込んできた妻の間夫を切り捨てた慎之介。妻になるはずだった女性は自害してしまう。それゆえに婚家から刺客を送られるようになった慎之介は、本所の「あやめ横丁」に匿われるが……。
世間知らずの武家の三男坊が、だんだんと町家の暮らしになじんでいく様が面白い。連作形式になっていて、そのサブタイトルは町家の人々の遣う言葉が冠してある。「あやめ横丁」というのがほんとうは何であるのかというのが縦軸の謎になっていて、じょじょにそれが慎之介の前に開かれていくのも興味深いところである。
ただ、やはり、最後の一編が物悲しいと思ってしまう。いささかやりすぎのような気もするが、どうだろう?読了してから、なんだか物語の中に忘れ物をしてきたような思いに捉われてしまったのである。あとみよそわか。
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![]() | 鋼の錬金術師(13) 初回限定特装版 荒川 弘 スクウェア・エニックス 2006-03 by G-Tools |
【感想】
おおお。グラトニーの腹の中がそんなんだったとは驚き。それにエンヴィーはジンメンですなあ。なかなかにグロいであります。ロイのほうも大変なことになっておるし、それより何より、次巻は親子対決ですね。物語的には終盤とう感じがしないではないのですが、この先どうなるのでしょうかね。
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『五郎治殿御始末』の姉妹編。作者が顔を出さないほうが好きなのだが、落語の枕のようで面白くもある。
・「お腹召しませ」 上司と部下の関わりとか、家の中での父親というものの立場とか、あれこれ考えさせられてしまう。こうなると滑稽だけれど、現代もだってこんなもんである。
・「大手三之御門御与力様失踪事件之顛末」 たしかに、もうこのようにはいかぬものです。休日は携帯電話は切っておきたいものです。
・「安芸守様御難事」 慣習・儀式。苦手とするところである。意味なさずば改めてしまえ、というのが流儀。なるほど、ぼくは器ではないわけだ。
・「江戸残念考」 <残念>といえば、波田陽区の顔しか浮かばない(笑)。チャンバラならば、そこは重々しく「無念」とやるのが、子供の頃の仲間内の流儀だたような。残念無念なことばかりなれど、<臨終のきわにこそ口にすべき>とて、黙してもおられぬ。我は侍にあらず。
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明治時代のはじめ、維新後に武士たちがどのように身の処したかを描いた短篇集。
・「椿寺まで」 <せめて武家言葉を覚えていたのなら> こうくるとは思ってもいなかった。冒頭を飾る佳編。
・「箱館証文」 一場の喜劇。いや悲喜劇か。人生ってそんなものかもしれない。
・「西を向く侍」 身につまされる。体得した技術が時代遅れになるというのは何とも虚しいものだ。
・「遠い砲音」 外来のものを翻訳して日本のものとする。昔はそうだったな。今は外来のものを外来のものと意識せずそのまま使う。それでいいような気もするし、こなれていない気もするのだ。
・「柘榴坂の仇討」 価値観を変えるというのは大変なことである。時には命を、いやそれ以上のものをかけねばならぬということだ。
・「五郎治殿御始末」 <侍の理屈は、一筋の付け髷に如かぬ>か。どのような理屈も理屈でしかなかろうな、と思う。人の生は理屈を超えた場所にあるものだから。
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![]() | ふたつのスピカ 10 (10) 柳沼 行 メディアファクトリー 2006-03-23 by G-Tools |
【感想】
アスミたちも3年生か。春だなあ。というか、会社にこもっているうちに、現実世界もいつの間にか春になっているのであった。例年通り、桜が咲いたことに気づかないまま、いつのまにか梅雨が明けていたりするのだ。
アスミの年齢の頃にはそんなことはなかったと思う。大事なものを思い出させてくれるこの物語が、ぼくは大好きです。
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![]() | 深尾くれない 宇江佐 真理 新潮社 2005-09 by G-Tools |
【感想】
牡丹を愛し、雖井蛙流平法という剣の流儀を起こした実在した鳥取藩士である深尾角馬の半生を描く。宇江佐作品としては異色と言えるかもしれない。
藩の剣法指南役まで勤めるまでのの腕でありながら、どうにも頑なな性格であるように思われ、この男に感情移入できませんでした。お役目大事なあまりに私事を省みないところなどは、ぼくも含めて世の男性は大いに反省の材料とさせられるところです。真面目な人間の真面目さというのは、一種の狂気なのかもしれません。だからこそ、彼は妻にも後妻にも背かれたのです。人間、ゆるみがあったほうがいいのだと思いました。
<雖井蛙流>というのはどこかで見たと思ったら、同じ宇江佐作品の『銀の雨』にちらりと出ておりました。
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![]() | ふりむかない男―アルド・ナリスの事件簿 2 栗本 薫 早川書房 2006-01 by G-Tools |
【感想】
外伝とはいえ、物語が過去に遡るたびになんだか居心地の悪い気分になります。とりわけ、正伝の現在時制においては故人であるとなるとなおのことです。また、<自分の苦しみだけで精一杯>だと語るヴァレリウスが、このあとに巻き込まれる苦難の数々など、考えるだけで胸が苦しくなってしまいますよ。
ミステリとしては安楽椅子探偵ものに分類されるのでしょうが、事情はちょっと特殊であるかもしれません。なにしろ、ナリスは動きたくても動けないわけですからね。「安楽」な状態でないことだけは確かでしょう。「ふりむかない男」という幽霊の謎は謎として面白いのですが、アルド・ナリスにふたたび会えることのほうを喜ぶ読者のほうが多いのでしょうね。
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![]() | さよならの代わりに 貫井 徳郎 幻冬舎 2006-01 by G-Tools |
【感想】
未来から来たと名乗る美少女祐里と、主人公の和希が所属する劇団で起きた殺人事件を巡る謎。
タイムスリップものといえばSFでは定番で、ぼくとしては好きなテーマのひとつです。作者がミステリ作家なので、そのあたりがどう処理されているのかという興味を持ちながら読みました。殺人事件の謎よりも祐里がほんとうに未来からやって来たのかというところにもちろん主眼を置いて、です。結末で語られるタイムスリップの起こり方というのがなかなか面白かったですね。ネタバレ双方向な時間の動きというのは、梶尾真治の「時尼に関する覚書」を思い出しましたねネタバレおわり。思わず、電車の中でメモ帳をとりだしてタイムチャートを書いてみたりしましたよ。でも、そういう読み方をしてはいけなかったかな。もうちょっと純粋に楽しめばよかったのかもしれない。ぼくの場合、ミステリとして読んでしまうことで、かなり損をしたのだと思います。この主人公が、ちょっと頼りなくて、でも懸命で、そういうとことがもどかしいながらもとても共感できました。だから、もっと主人公に感情移入するべきでしたね。あと、欲を言えば主人公の憧れの女性智美をもう少し活躍させてほしかったです。これでは何だか微妙な上にも微妙な感じのままですよ。でも、だからこその憧れなのかも。そして、そういう和希だからこそのやさしさなのですね。「さよならの代わりに」祐里がある言葉を和希に言うのは、そのやさしさに応えたものなのでしょう。
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![]() | ボルボロスの追跡―グイン・サーガ 106 栗本 薫 早川書房 2006-02 by G-Tools |
【感想】
先月に出た外伝はまだ読んでおりません。
風の騎士があの方だと前巻で判明したので、それでしばらく引っ張るのかと思っていたら、こういう展開になりましたか。物語中で登場人物たちにも言われているように、何しろ信じ易い人なのですねえ。人の上に立つ者がこう安易に人を信じてよいのかと思ってしまいます。というか五年も辛い目にあったにしては、まったく懲りていないじゃありませんか。人の性格はそんなに変わらないということでしょうかね。やれやれ。
あと、グインも、こんなところでマリウスと義兄弟であることを連発してしまってよいのでしょうか?何かの伏線になるのでしょうが、ちょっと心配です。
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![]() | レタス・フライ 森 博嗣 講談社 2006-01-11 by G-Tools |
【感想】
「ラジオの似合う夜」
ううむ。彼の内面というのはシリーズでは窺い知れなかったというか、とっつきにくくて印象があまりよくない。こんな男がどうしてもてるのか不思議だったのだが、単に優柔不断なだけだったのか。この話のモデルになった国はあのあたりであろうか?X・Jっていったい誰なのでしょう。
「刀之津診療所の怪」
Gシリーズ番外編。こういうふうに誰かの消息がわかるというのはうれしいですね。振袖ということは和装になって少し大人っぽくなったということでしょうか。いや、それともあいかわらずなのか。40代以上だものね。となれば<背の高いボーイッシュな感じ>の<あの方>というのは、やはり彼女のことでしょうな。黒いスーツ?ううむ、つけひげはどうですか?という点がとても気になるかな。好きだった人と同じ職業につきたかったとか。考えすぎか。でも、そうだとすれば最近に睦子は<あの方>に会っているということに。
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![]() | ネクロポリス 上 恩田 陸 朝日新聞社 2005-10-13 by G-Tools |
![]() | ネクロポリス 下 恩田 陸 朝日新聞社 2005-10-13 by G-Tools |
【感想】
1月の下旬から珍しく読み了えるまで2週間以上もかかってしまいました。
関係者以外は立ち入ることのできない<アナザー・ヒル>は<お客さん>と呼ぶ死者たちと出会える場所。<ヒガン>の間、英国と日本の文化が入り混じったV.ファーの人々はそこを訪れる。
雰囲気はとてもいいのだけれどなあ。どうも最後まで話の流れに乗れなかったですよ。主軸は<血塗れジャック>は誰なのかということであろうけど、殺された人々があっさりと<お客さん>として現れるあたりで、考え込んでしまった。ああいう展開でないと先が続かないのはわかるのだけれど、どうもなあという感じ。
この世界観そのものはとてもよいと思うので、この背景で短編を読ませてくれるとうれしいです。というか、上下二冊読了して、やっと世界観が了承できたという感じなのです。奔流のようにキーワードが数多く出てくるのに、それらがどのように繋がっているのか最初はよく判らなかったのですよ。あまり考え込まずに読んだほうがよかったのであろうかなあ。
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![]() | エンド・ゲーム 恩田 陸 集英社 2005-12 by G-Tools |
【感想】
『光の帝国』に含まれる短編「オセロ・ゲーム」のその後を描く長編。明らかな敵を想定しているあたり、常野の能力としては異色であるというようなことを当時の感想にも書いているけれど、今回はこの<裏返す>という能力をめぐっての最後の戦いといったところであるかと思う。
しかし、彼ら<裏返し>ている人々と、ツル先生や春田一家とが、ぼくにはどうも一直線上に見えてこないのである。能力の傾向が違いすぎるような気がするのだ。もしかすると、いずれ『光の帝国』からもっと多くの長編が派生し、それがまた寄り集まってもっと大きな謎を解き明かしてくれるのかもしれない。
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![]() | 水曜の朝、午前三時 蓮見 圭一 新潮社 2005-11 by G-Tools |
【感想】
1970年、大阪万博の頃を背景にしたラブストーリー。なんというのだろう、この感触は。そう。大時代な、という感じ。あの頃の日本といえば、高度成長で沸き立っていたのだろうか?その華やかな時代の雰囲気に、しかしその時代ならではの限界をもまた感じてしまう。その限界こそが、読んでいて感じるもどかしさの最たる部分であると同時に、ある種のせつない感情を喚起する源にもなっているのであろう。
その時代の限界は、後から振り返ってみてこそ見えてくるもの。「もし、あのとき、」と、人はどうしても思ってしまうものである。それでも、せいいっぱいやったと思えるからこそ、その先を続けていくこともできるのであろうな。
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![]() | OL進化論 24 (24) 秋月 りす 講談社 2005-12 by G-Tools |
【感想】
連載で読んでいるのに、コミックスが出たら必ず買うという、ぼくとしてはめずらしいパターンの作品。
田中さんはいつまでも35歳で独身だよなあ、と改めて思う。いつのまにか登場人物の年齢に追いついたり追い越したりしてしまっているわけだけれど、35歳の田中さんを微笑ましいと思うようでは、さすがに年をとってきたということか(笑)。
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