『グイン・サーガ外伝20 アルド・ナリスの事件簿2 ふりむかない男』 (栗本薫) 感想
ふりむかない男―アルド・ナリスの事件簿 2 栗本 薫 早川書房 2006-01 by G-Tools |
【感想】
外伝とはいえ、物語が過去に遡るたびになんだか居心地の悪い気分になります。とりわけ、正伝の現在時制においては故人であるとなるとなおのことです。また、<自分の苦しみだけで精一杯>だと語るヴァレリウスが、このあとに巻き込まれる苦難の数々など、考えるだけで胸が苦しくなってしまいますよ。
ミステリとしては安楽椅子探偵ものに分類されるのでしょうが、事情はちょっと特殊であるかもしれません。なにしろ、ナリスは動きたくても動けないわけですからね。「安楽」な状態でないことだけは確かでしょう。「ふりむかない男」という幽霊の謎は謎として面白いのですが、アルド・ナリスにふたたび会えることのほうを喜ぶ読者のほうが多いのでしょうね。
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