『ゲド戦記』 感想
家族でゲド戦記を観にいってきました。原作は1巻を中学生くらいの頃に読んだきりなので、映画のベースになっている部分に関する予備知識はほぼないに等しいです。それでなのかもしれませんが、どうにものめりこめない。作中の誰かに感情移入するのがとても難しい作品だと感じました。
まず、「世界が均衡を失っている」というのが、街の様子から象徴的には感じられません。あの程度に頽廃した都市であれば、あちこちにありますよね。物語世界において危ぶまれているものに対する説明が不足しています。その中で、主人公アレンは何に迷っているのか、これも明瞭とは言えないでしょう。だいたい、なぜ父親を刺さなければならなかったのか、最後までよくわかりませんでした。現実世界では心の闇のせいにされがちですが、その闇をこそきっちり描いて欲しかったです。そして、アレンに対してゲドが教えたいことは何なのか、これも不明瞭です。1巻を読んだだけのおぼろげな記憶で言えば、ゲドも幼い頃にはアレンのように迷い苦しんだわけですから、彼に対し思うところがあるはずです。人が自分の「影」と戦うという部分に、もっとウェイトを置けばよかったのではないかと思います。なんだか、もやもやした感じです。
あと、「人と竜はかつてひとつだった」はいいのですが、そのこととテルーの関わりが見えてきません。冒頭に出てきた竜同士の争いも、伏線なのかと思っていたら、あとで何の説明もないし。ファンタジーだからこそ、その世界の成り立ちをもっときちんと見せないと、解釈に苦しんでしまいます。いかがでしょう?
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