« 『強殖装甲ガイバー 24』 (高屋 良樹) 感想 | トップページ | 送別会 »

『風の影』 (カルロス・ルイス サフォン) 感想

4087605086風の影〈上〉
カルロス・ルイス サフォン Carlos Ruiz Zaf´on 木村 裕美
集英社 2006-07

by G-Tools
4087605094風の影〈下〉
カルロス・ルイス サフォン Carlos Ruiz Zaf´on 木村 裕美
集英社 2006-07

by G-Tools

【感想】
1945年のバルセロナ。もうすぐ11歳を迎える少年ダニエルは、古書店主である父に連れられて、『忘れられた本の墓場』を訪れる。父は言う「この場所にはじめて来た人間には、ひとつきまりがある」と。それは、一冊の本を選び、それを一生大事にするというものだった。ダニエルが選んだ本は、フリアン・カラックス作『風の影』。謎の作家カラックスにダニエルは魅かれていく……。

少年時代に出会う本というのは特別なものだ。本好きの人であれば、たいていそういう記憶を持っているに違いない。あの時、あの本に出会わなければ今の自分はないのではないか?そう感じるであろう。この物語の主人公ダニエルの場合は、そうした作用がさらに大きく働く。『風の影』を手にした時から運命が大きく動きはじめ、まるでカラックスその人の運命を辿るかのように混沌としていく。単純に面白い話ではないと思う。軽く読み飛ばすような話ではないということだ。重厚な物語に耽溺し、頁を繰るたびにためいきをつきたい人向きである。<この一冊が、そんな魔力で、以来ずっと、ぼくを虜にしつづける本になる> そう、そんな魔力を秘めた物語であると思う。

|

「読書遍歴2006」カテゴリの記事

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/5613/12205204

この記事へのトラックバック一覧です: 『風の影』 (カルロス・ルイス サフォン) 感想:

コメント

コメントを書く




コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。