『風の影』 (カルロス・ルイス サフォン) 感想
![]() | 風の影〈上〉 カルロス・ルイス サフォン Carlos Ruiz Zaf´on 木村 裕美 集英社 2006-07 by G-Tools |
![]() | 風の影〈下〉 カルロス・ルイス サフォン Carlos Ruiz Zaf´on 木村 裕美 集英社 2006-07 by G-Tools |
【感想】
1945年のバルセロナ。もうすぐ11歳を迎える少年ダニエルは、古書店主である父に連れられて、『忘れられた本の墓場』を訪れる。父は言う「この場所にはじめて来た人間には、ひとつきまりがある」と。それは、一冊の本を選び、それを一生大事にするというものだった。ダニエルが選んだ本は、フリアン・カラックス作『風の影』。謎の作家カラックスにダニエルは魅かれていく……。
少年時代に出会う本というのは特別なものだ。本好きの人であれば、たいていそういう記憶を持っているに違いない。あの時、あの本に出会わなければ今の自分はないのではないか?そう感じるであろう。この物語の主人公ダニエルの場合は、そうした作用がさらに大きく働く。『風の影』を手にした時から運命が大きく動きはじめ、まるでカラックスその人の運命を辿るかのように混沌としていく。単純に面白い話ではないと思う。軽く読み飛ばすような話ではないということだ。重厚な物語に耽溺し、頁を繰るたびにためいきをつきたい人向きである。<この一冊が、そんな魔力で、以来ずっと、ぼくを虜にしつづける本になる> そう、そんな魔力を秘めた物語であると思う。
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