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2008/04/16

『怪物がめざめる夜』(小林信彦) 感想

「ミスターJ」という架空の人物を主人公たちはつくりあげ、コラムを担当させる。しかし、その反響が大きくなるにつれて、彼は実在することを望まれはじめる。そこで主人公は神保登という男を見つけてきて「ミスターJ」にしたてあげるのだが、というのがストーリー。かなり怖い。自分が創造した架空の人物がやがて自分自身を歪んだ鏡に写したような実像を持ち、現実の世界を侵食しはじめる。情報という名の化け物が作者を逆に飲み込むのではないかという恐怖。ものを作る方ならば、いっそうその恐怖は身にしみるものとして感じられるだろう。ハードカバーは平成5年刊行であるが、すでにストーカーなどという言葉が出てきていたりするのも興味深い。(1997.3.9)

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