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2008/09/06

『日本ジジババ列伝』(清水義範) 感想

もはや老人を描かせて清水義範の右に出る作家はいないだろう。傑作「霧の中の終章」や「ワープロ爺さん」、また『やっとかめ探偵団』を考えてみればすぐわかることである。その「老人物」の短編がまるまる一冊、こんなおいしい短編集はなかなかにお目にかかれたものではない。あんまりギャグ味はなくて、しみじみ書いているというところもよいねえ。作者のインド旅行体験をバックに描いた「八十年間世界一周」に老人のヴァイタリティを見ることもできるし、嫁姑問題を扱った「お客さん」に人生の悲哀を感じることもできる。あとがきに「老人は老人になり得た点ですばらしい、天才的な人物が大いに偉業を残しても、例えば五十歳で亡くなっては悲しいではないか」とあのだけれど、なんだか納得してしまうなあ。老人への愛がある作品集です。(1997/11/23)

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