『月は幽咽のデバイス-The Sound Walks When the Moon Talks』 (森博嗣) 感想
ううむ、森博嗣作品は時として、いやかなりしばしば題名の解釈に苦しむなあ。読了しても、この物語がどうしてこういう題名になるのかさっぱりわからない(笑)。
瀬在丸紅子シリーズ第3弾ってことなのだけれど、未だどうも物語世界に入りこめないままとなっております。この紅子にせよ、探偵の保呂草にせよ、感情移入しにくいんだものね。もっといえば、他のキャラクタたちって何のために登場しているのか、これもよくわからんのだな。きっとぼくは頭悪いんだろうね。どうも、本筋でないところばかり気になっていけない。紅子と林の離婚の真実とか、林のファーストネームはいったい何なのかとか、わざわざ登場人物のひとりに、物語が自分を含めて三人称で展開すると冒頭に断わりを入れさせる理由とか、まあ、そういうことね。密室よりもそのほうがよほど謎だと思ってしまうのだよね。気になって仕方がない。さぞや深謀遠慮な仕掛けがシリーズのどこかにされているのだろうな、と疑ってしかり。やはり、これはシリーズ通して読んでみて、やっとそれなりに納得がいくのかな?(2000.01.15)
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