『二人がここにいる不思議』 (レイ・ブラッドベリ) 感想
どうしてだろう、最近なぜかブラッドベリの作品集をよく本屋で見かける。『火星年代記』、『何かが道をやってくる』『華氏451度』、ブラッドべリといえばぼくにとってはそういう作家だ。解説不要。きっと作品名のいくつかを挙げるだけで、感じた想いのいくつもを他者と容易に共有することができる、そういう数少ない作家のひとりだと思う。そうした作家の未知の作品集というのは、じつはとても手を出しにくいのだ。もし、面白くなかったらどうしよう、という気持ちになるからだろう。
まあ、そういう想いは今回はとりこし苦労であったようだ。かなり質の高い作品集だと思う。作品としてはタイムトラベルものの佳作「トインビー・コンベクター」、ちょっとユーモラスな怪奇譚「オリエント急行、北へ」、やはりブラッドベリといえばカーニバルは外せない「最後のサーカス」、亡き両親をレストランに招待する表題作「二人がここにいる不思議」、ちょっと不思議なクリスマス譚「ゆるしの夜」、やはりもうひとつ怪奇譚で「階段をのぼって」がよかったです(2000.01.16)
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