『ぼんくら』 (宮部みゆき) 感想
「殺し屋」から「拝む男」まで5つの短編を連続させたあと、「長い影」という中編、そしてエピローグ的な「幽霊」。すべての物語が関連しあっていますから必ず最初から読みましょう……。
「殺し屋」の事件をきっかけに鉄瓶長屋の差配人がいなくなってしまい、新しくやってきたのは若輩の佐吉であった。しかし、それからというもの奇妙な事件が連続し、店子はひとりまたひとりといなくなっていくのであった……。
ううむ、単に同心の井筒平四郎を主人公に据えた連続短編かと思って読みはじめたのだが、「長い影」にかかってからは、前のほうを読み直してばかりである。ぼくは分析的には読まないので、こういうやりかたにはいつも素直にひっかかって喜んでおります。正しい読者のありかたでしょう?
面白い登場人物も多いことだし、舞台を変えてまた読みたいものですね。『霊験お初』とならびたつシリーズになるとよいなあ。ちなみに回向院の茂七の手下で政五郎なんて方も登場します。(2000/04)
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