『鉄道員(ぽっぽや)』(浅田次郎) 感想
表題作は高倉健主演で映画化もされたあれですね。廃線のきまった北海道の幌舞線、幌舞の駅で自らも引退の決まった駅長の乙松の前にあらわれたのは、ひとりの奇妙な少女だった……。物悲しい、すてきなファンタジーでした。
実際に起こったことに取材したという「ラブ・レター」もなんだか泣ける作品、これもファンタジーといってよいのかもしれません。ファンタジーは人の心の中にこそ芽生えるものですからね。
他に気に入ったのは閉館の決まった昔なじみの映画館から招待状が届き、そこに別居中の妻と出かけるという「オリヲン座からの招待状」。これ、ラストシーン、どういうことになるのかなあ。このあとどうなるのだろう?それが気になって気になって仕方ないラストシーンって本を読んでいるとしばしば出くわすのだけれど、これもそのひとつですね。(2000.04.02)
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