『家族の名誉』 (ロバート・B・パーカー) 感想
サニー・ランドル・シリーズ第1弾。女性が主人公だからという理由であろうか?訳者はいつもの菊池光ではない。翻訳ものの場合、訳者で読んでいるところがぼくにはあって、同じ作者の作品であっても訳者が違うと全然だめということもある。いささか身構えて読んだのであるが、ぜんぜんOK。パーカー節が見事に伝わってくる。
しかし、男性が主人公であれば気にならないことのあれこれが、やはり気になるというのはどういうことか?たぶん、スペンサーが同じ行動をとればぼくは素直に納得できるにちがいないのに。サニーの行動のいくつかの点については、女性の読者にどのように感じるかやはり確認してみたい気がする。今回は何というか危ういバランスの上に物語が成立しているような気がしてならないのだ。しかも内容的にはどうも『初秋』とだぶるような気もするし……。サニーが男性読者にとって今後、都合のよい女性にならないように、ぼくとしては切に望むところである。(2000.10.15)
« 『帰還 異形コレクション』 (井上雅彦編) 感想 | トップページ | 『麦の海に沈む果実』 (恩田陸) 感想 »
「2000年の読書遍歴」カテゴリの記事
- 『突然の災禍』 (ロバート・B・パーカー) 感想(2008.11.30)
- 『悪党』 (ロバート・B・パーカー) 感想(2008.11.30)
- 『ライオンハート』 (恩田陸) 感想(2008.11.30)
- 『幻の声 髪結い伊三次捕物余話』 (宇江佐真理) 感想(2008.11.30)
- 『グイン・サーガ76 魔の聖域』 (栗本薫) 感想(2008.11.30)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント