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2008/11/30

『猿の証言』 (北川歩実) 感想

人間とサルの境界線とは何なのか?うーむ、なかなかに興味深いテーマであります。この物語の中ではまずはもっと狭義のところからはじめているわけですね。はたして、サルに言語を扱うことができ人間とコミニュケートできるのであれば、その「言葉」は証言として有用であるかどうか?
このような物語に出会って、やはり最初に思うのはあの名作『猿の惑星』だな。あの映画史に残る作品での猿はAPES、つまり類人猿という意味だね。この作品においてもそう。ぼくの年代より上の人であれば、あのオリバー君のこととかも思い出すにちがいない。思えば『猿の惑星』では人間と猿の知性の逆転を描いたのでありました。しかし、そこで定義された知性とは……けっして生物を幸福にしてくれるものではなかったはずです。だから、賢いとか賢くないというのは、生物を区別する境界としてはよくないですね。賢いから偉いのでしょうか?価値があるのでしょうか?それは人間という単なる一生物であるにすぎない者たちの歪んだエゴイズムによる価値観でしかないでしょう?
さて、人間の歪んだ思いが、この物語を暗くそして不安なものにしています。途中どうにもやりきれないシーンが、じつに何度もありました。そして、このラスト!!これは、何というか……。謎はすべて解かれなければいけないものでしょうか?時に真実は人を不幸にするのではないでしょうか? (2000.04.02)

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