『占い師はお昼寝中』 (倉知淳) 感想
狐につままれたような感じのする題名ですね。しかも帯に「霊感が無くても、お客さんの悩みは解消できるのです」なんて書いてある。うーむ、いんちき占い師を探偵役に据えた一種のアームチェア・デテクティブものですが……。
「三度狐」これで占い師こと辰寅叔父さんの人間性が確認できまずは安心。路線としてはこういうものなのだね。中身は霊的現象とはこれっぽっちも関係なし。もしかしなくても、このシリーズ中では、本物の霊的現象に遭遇することなど金輪際ないでしょう。
「水溶霊」これはちょっといただけないかも。しかし、こういう解決方法しかないよなあ。そうとも。探偵は神様じゃないのだ。
「ゆきだるまロンド」こういう話だとちょっとほっとします。まあ、どうでもよいけれど、このシリーズの登場人物って皆信じやすい人々ばかりなのだねえ。そこを違和感なく書いているのは作者の筆の力なんだろうな。(2000.09.03)
« 『崩れる 結婚にまつわる八つの風景』 (貫井徳郎) 感想 | トップページ | 『月のしずく』 (浅田次郎) 感想 »
「2000年の読書遍歴」カテゴリの記事
- 『突然の災禍』 (ロバート・B・パーカー) 感想(2008.11.30)
- 『悪党』 (ロバート・B・パーカー) 感想(2008.11.30)
- 『ライオンハート』 (恩田陸) 感想(2008.11.30)
- 『幻の声 髪結い伊三次捕物余話』 (宇江佐真理) 感想(2008.11.30)
- 『グイン・サーガ76 魔の聖域』 (栗本薫) 感想(2008.11.30)
この記事へのコメントは終了しました。
« 『崩れる 結婚にまつわる八つの風景』 (貫井徳郎) 感想 | トップページ | 『月のしずく』 (浅田次郎) 感想 »
コメント