『帰還 異形コレクション』 (井上雅彦編) 感想
廣済堂の撤退によるシリーズ中断から7か月。ついに復活のアンソロジーであるが、そのテーマが「帰還」とはできすぎである。廣済堂文庫での既刊分がいつまで供給されるのか気になるところではあるが、まずは復活おめでとうというところ。
「リターンマッチ」(山下定)は、ボクシングテーマ。はて映画にも帰ってくるボクサーの話がなかったか?もしかすると拳の向こうはほんとうにあの世なのかもと興味深い。
「赤い実たどって」(篠田真由美)オーソドックスだけど怖い。妙に印象深かった。誰にも思い出したくない昨日のようなものないだろうか?
「深い穴」(中井紀夫)なんだか奇妙なまでにシュールだ。ぜんぜん関係ないのに筒井康隆の「ふたりの印度人」を思い出した。秀逸。
「母の行方」(飯野文彦)こういうのは何と言ったらよいのか?地獄というのは案外に身近にあるものだと思わざるを得ない。(2000.10.15)
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