2022年12月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
無料ブログはココログ

« 『占い師はお昼寝中』 (倉知淳) 感想 | トップページ | 『尾張春風伝』 (清水義範) 感想 »

2008/11/30

『月のしずく』 (浅田次郎) 感想

偉そうな言い方になってしまうけれど、下手な作家がこういう話を書くとべたべたしていてとても読めたもんじゃなくなるだろうなあ、というのばかりです。それをこう、淡々とというか、甘さは行間からだけにじみ出るようにというか、やられると、やっぱり参ってしまう。素直に泪しながら読んでよし。すなわち、電車の中で頁をめくるのには向いていません。
「月のしずく」世界の違う男女がささいな偶然でふれあうという物語は古今東西掃いて捨てるほどある。そして偏見かもしれないが、たいてい、どちらかがどちらかの世界を捨てることで解決をはかっている。でも、この物語はそうではないと思う。まったく違った世界にも、何か通い合うところがあって然るべきだと言われているように感じる。
「聖夜の肖像」この作品集のなかでいちばん好きである。四十代はじめの登場人物たちに、まだこのような迷いがあるところがうれしい。うつくしい夫婦だと思った。
「花や今宵」現実の世界ではこのようなこと、起こり得ないのではないか?起こったとしてももっと生生しいものになってしまう。夢のように異界に身を投じてみてもよい。すべてを花のせいにして。(2000.09.03)

« 『占い師はお昼寝中』 (倉知淳) 感想 | トップページ | 『尾張春風伝』 (清水義範) 感想 »

2000年の読書遍歴」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『月のしずく』 (浅田次郎) 感想:

« 『占い師はお昼寝中』 (倉知淳) 感想 | トップページ | 『尾張春風伝』 (清水義範) 感想 »