『チョコレート革命』 (俵万智) 感想
不倫歌集ってことで話題になった第三歌集。単行本発売当時は立ち読みしただけだったのだが、そういえば ふーまーさん などはパロディまでつくっていらっしゃいましたね。
いくつかの歌を連続して読んでいるとそこにひとりの女性の姿が浮かんでくるのですが、それが何というかとても生々しい。生き生きしているではなく生々しい、なのだな。でも、いやらしくない、ってのもすごい。この歌集がフィクションであるならば作者の想像力に改めて感嘆するし、ノンフィクションな事柄をもとにしているなら、それをこうして昇華させてしまうことにやはり感嘆する。
ぼくがとりわけすごいと思ったのは「ファミリーランド」の冒頭の歌。たったこれだけの中に何と様々な背景を説明し想像させるのだろうと思う。自宅でも勤務先でもファミレスでもなくファミリーランド。電話のこちら側にいる彼女はなぜ電話しなければならなかったのか?(2000.02.05)
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