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2009/07/05

『名もなき毒』 (宮部みゆき) 感想

なんとなく今まで読むのを避けてきたのは、前作にあたる『誰か sombdy』の読後感がいまひとつだったせいである。主人公の杉村に素直に感情移入できないのだね。でくのぼうで野心がないところを義父に見込まれたのだと、ほんとうにそう思っているのか?そうではあるまいと思うのだが……。
対して、物語の一方の軸になっている原田いずみのエピソードは、まことに首肯できる。ここまで極端でないにしても、こういうタイプの人間は実在する。どんな人間にだって、ある種の毒は潜んでいる。その毒と折り合えなければ原田いずみのようになるであろう。たいていの人間は自分の毒を自覚しながら、それをどうにか抑えて生きているのえはないだろうか。それでも、ふとしたきっかけでその毒が身体から滲み出てしまうことがあるかもしれない。それはとても不幸なことだ。野心のない杉村には毒がないのか?その妻である菜穂子の終章での行動というか考えも十分に利己的で、この二冊を通しての印象とずいぶん違ったように感じた。でも、その方がふつうなんだと思ってしまう。

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