【読書】2011年の読書遍歴

2011/08/21

『九十九怪談 第二夜』 (木原浩勝) 感想

『九十九怪談』の第二夜。「第三話 湯のみ」「第十三話 自転車」第二十五話 お姉さん」「第四十話 ぶら下がり」「第四十三話 高級車」「第八十八話 メール」 そして、第六十二話と六十三話のあいだにある作者自身の話あたりが好みです。

『モールス』 (ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト) 感想

スウェーデンの作品です。切ない系のヴァンパイアものと聞いていたので、勝手に『ポーの一族』みたいなのを期待した自分が悪いのでしょうが、最初はなかなか乗れなかったです。いじめられっこのオスカルの家の隣に越してきた少女エリ。彼女が来てから、周辺では奇怪な事件が起こり始めて・・・。乗れなかったのは、いじめのほうです。そっちの方がヴァンパイアより陰惨ですね。それ以外、物語はどちらかといえば静かな感じで展開します。スプラッタな感じがあまりないのは、よかったです。
「モールス」というのは、モールス信号のことで、ふたりが連絡を取り合う手段なのですね。原題の「私を中に入れて」の方がいいと思うのだがなあ。これは、吸血鬼は招かれないと部屋に入れない、というところからきてますし、美しい題名だと思います。
この作品は、『ぼくのエリ 200歳の少女』という題名で一度映画化されましたが、今リメイク版の『モールス』が公開されているようです。予告画像を観ると、すごく美しい画像なんですよね。この映像でこの物語なら観たいです。しかし、全国ロードショーになっているけど、上映館が近場にない・・・。公式サイトはこちら 観に行くかどうしようか、おおいに迷っているところです。


『守護天使 みんなのキズナ』(上村佑) 感想

シリーズ第2弾。前作が、とても面白かったので買ったんだけれど、期待が大きすぎたのか、今回はあんまり乗れなかった。ハゲ、デブ、そして貧乏な啓一の純情を再び見たかったのと、超人的な啓一の妻 勝子にもっと活躍してほしかった。しかしながら、彼らがヤクザと戦う手段がSNSというのは面白いし、明らかにmixiをモデルにしたピクシィで情報が伝達されていったり、助力者が現れるプロセスは興味深い。あと、啓一のルーツな部分はすばらしかった。ラストはちょっとなあ・・・と思います。そういえば、カンニング竹山主演で映画化された前作、観てないのだが、面白いのだろうか?


『機動戦士ガンダムUC』 (福井晴敏) 感想

3巻「赤い彗星」
4巻「パラオ攻略戦」
5巻「ラプラスの亡霊」
6巻「重力の井戸の底で」
7巻「黒いユニコーン」
8巻「宇宙と惑星と」
9巻「虹の彼方に(上)」
10巻「虹の彼方に(下)」

最後まで通して読んで、けっきょくフル・フロンタルってなんだったんだろうなあ、という釈然としない気持ちが残ってしまった。もちろん、物語は起伏に富んでいて、長丁場を飽きさせず、1、2巻の感想にも書いたけれど戦闘シーンも違和感なく面白い。正伝が今後も、もし紡がれていくのだとすれば、この上を行くのは難しいのではないかと思う。









『彼岸花』 (宇江佐真理) 感想

短編集。「つうさんの家」「おいらのツケ」「あんがと」「彼岸花」「野紺菊」「振り向かないで」
なんというか、読後感がよろしくなかった。ハッピーエンドは世の常ではないけれど、なんとなく暗い気持になってしまったよ。どうしようもないことはどうしようもないまま、という結論が多いからかな?多いわけでもないのか?「つうさんの家」が冒頭でなかったら、もうちょっと感想が変わったかも、とも思う。唯一ほっとしたのは「あんがと」。これはコミカルで、ユーモアも明るい。

『おはぐろとんぼ』 (宇江佐真理) 感想

短編集。「ため息はつかない 薬研堀」「裾継 油堀」「おはぐろとんぼ 稲荷堀」「日向雪 源兵衛堀」「御厩河岸の向こう 夢堀」「隠善資正の娘 八丁堀」
基本的に人情物なのだが、「御厩河岸の向こう 夢堀」はちょっと味付けが違ってオカルトである。自分の前世をおぼえている勇助と、その姉の話。「人はこの世で生きるのがすべて」という姉のおゆりの考えに同意する。そのような弟を持って、そういう考えに至るところに、登場人物の健全さがあり、読後感がよい。

『晩鐘 続・泣きの銀次』 (宇江佐真理) 感想

岡っ引きから足を洗って十年、小間物屋の主となった銀次だが、かどわかし事件をきっかけに復帰することになり・・・。
あの銀次が十年経つとこういうふうになるのかと、ちょっと愕然とした。人生いろいろあるわけだけれど、これでは銀次が可哀そうな気がする。『泣きの銀次』は宇江佐作品のなかでも好きなものなので、かなり切ない気分にさせられた。まあ、そういう事情でも作らないと、続編のつくりようもないわけだが・・・。次作があるようなので、銀次がこの先どうなっていくのか続きを読みたいと思う。

『月光のさす場所』 (眉村卓) 感想

古書。短編集。再読。「鳳凰傘下」「月光のさす場所」「暁の前」「オーディション」「霧に還る」「剥落の冬」
昔読んだ時にも思ったが、「霧に還る」が衝撃的だ。親を乗り越えて更に先に進もうというのが子供の本能であろうと思う。しかし、この結末は・・・。

『グイン・サーガ・ワールド1』 (天狼プロダクション監修) 感想

「ドールの花嫁」 (栗本薫)、「星降る草原」(久美沙織)、「リアード武侠傳奇・伝」(牧野修)、「宿命の宝冠」(宵野ゆめ)、「日記より」、「いちばん不幸で、そしていちばん幸福な少女」(今岡清)
いきなり、海外のペーパーバックみたいなスタイルになってしまったけれど、逆にしっくりくる。こういうのも悪くはないな、と思う。未完稿とはいえ「ドールの花嫁」を読めたのはよかった。外伝三作はそれぞれ第1回。スカール生誕の事情を描く「星降る草原」が面白いと思った。

『グイン・サーガ外伝22 ヒプノスの回廊』 (栗本薫) 感想

最後のグイン・サーガ外伝。アニメDVDの限定BOXに収録された「前夜」が読めるのがうれしい。モンゴールによるパロ侵攻の前夜、すなわち、まだグインが中原にいない時点の物語。感慨深いものがありますね。

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