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2012年5月の7件の投稿

2012/05/14

『仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦』 感想

仮面ライダー×スーパー戦隊 スーパーヒーロー大戦
公開も終盤になりましたが、駆け込みで観てきました。大ショッカー対大ザンギャック、そしてその首領はディケイドとマーベラス。要するに、ディケイドとゴーカイジャーという、いわばお祭り企画をふたつ掛けあわせたグランドフィナーレのようなものか、と思って観にいったのですが・・・・・・。
ストーリーは、もはやあってなきがごとし、ですね。というか、いい意味でストーリーはない(笑)。楽しめればそれでよいかと思います。現在のTVシリーズの主人公であるフォーゼもゴーバスターズも添え物にしかすぎないのだなあ。おそるべし、ディケイドにマーベラス。
個人的には、ヒロインが比奈ちゃんで、あいかわらず怪力を発揮していたのが良かったです。もう、それだけでほぼ満足かも。
あと、気になった点を列挙すれば、ウラタロスがどこかのイエローを口説いていたが、あれはなんなんだ?とか、ライダーハンター・シルバが、ライダー粒子・戦隊粒子ともにゼロとか言っておったが、その時、ハカセはしっかり物陰にいたわけだなあ、ゴーカイグリーンの立場っていったい・・・とか、そういえば、ジョーも「これ以上仲間を失いたくない」とか言っておったが、マーベラス除けば、ハカセしかいない状況だったような(笑)、とか、Blackが「やめろ、ノブヒコ」と叫んでいたな、とか、まあ楽しかったです(笑)


2012/05/03

ビーケーワン怪談大賞のblogが閉鎖される

ビーケーワンの運営事業者変更に伴って、ビーケーワン怪談大賞のblogも閉鎖されてしまったので、掲載されていた作品5編を、このblogにupし直しました。第8回に応募した「赤い靴」「ボタン」、第9回に応募した「うつしみ」「紫煙」「宝玉」です。このうち、「ボタン」は加門七海氏の選者別ベスト50に選んでいただいています。
なお、第15夜を欠番としました。これは、第8回に応募した「花の写真」が福澤徹三氏の選者別ベスト50に残り、幸運にも、『てのひら怪談 辛卯 ビーケーワン怪談大賞傑作選』に収録していただいており、出版権がポプラ社様に設定されているからです。書店で見かけることがございましたら、手にとってみていただければ幸いです。
ビーケーワン怪談大賞は、私にとって、とても思い出深いものとなりました。今までありがとうございました。選者である東雅夫氏・加門七海氏・福澤徹三氏、またスタッフの方々に感謝いたします。

Kwaidan 第18夜・「宝玉」

 きっかけはペットボトルのお茶でした。薄緑色の小さな丸いパワーストーンに紐が通されたブレスレットがおまけについていたのです。長い間、会社の引き出しに入れたままにしていたのですが、先日、席替えをした時に出てきたのです。案外に美しいと思い、手首に通してみたら、しっくりときます。気に入って、一日つけたままにしていました。
 翌日になって見ると、石の緑色が少し濃くなっていました。お茶のおまけで安物だからかなと考えて、たいして気にしなかったのですが、その日から石の色はどんどん濃くなっていったのです。日ごとに色が濃くなる石を見て、私はとても不安な心持ちになりました。そして、何日か後、石はついに真っ黒になってしまったのです。
 コンビニを巡りましたが、ペットボトルのお茶のおまけは、別のものに変わっていました。仕方なく、街の天然石を扱っている専門店に出向き、あの薄い緑色をした石を買ったのです。でも、いくつ石を買ってきても、しばらくすると黒くなってしまいました。そして、そうなるまでの時間も短くなっていったのです。ついには、ほんの1日で黒くなってしまった石を持ち、店に出向きました。もっと強い力を持った石がないのかと尋ねてみるつもりだったのです。しかし、黒く変化した石を見て店主は「いい物だな。買い取ろう」と言いました。薄緑の石の数倍の値段でした。ですから、その後、石が黒くなるたびに、売り払ってきたのです。
 何十個目でしょう?今、私が持っている薄緑の石は、買ってから何日も経つのに黒くなりません。黒くなれ、黒くなれと強く念じているのに、何の変化もないのです。店頭では見ることがないあの黒い石を、私はもう生み出すことができないのかもしれません。

第9回ビーケーワン怪談大賞 応募作品


Kwaidan 第17夜・「紫煙」

 値上げされてから、煙草を手巻きするのに凝っている友人がいる。最初は様々な刻み煙草を専用の器具で巻いていたのだが、どうも合わないらしい。そもそも、喫煙者というのは基本的には銘柄を変えるのを歓迎しないものだ。しばらくして友人は、もともと吸っていた銘柄の紙巻き煙草をいったんほぐして巻き直すという、ややこしいことを始めた。ひと箱の紙巻きから三十本は作れると笑っているが、どうなのだろう?細目に巻き直して本数を増やしたからといって、吸う量が減るわけでもあるまいと思う。
 最近になって、その友人が妙なことを言いだした。そうやって煙草をほぐすと、何箱かに一度の割合で、ほんの一筋だけ紫色の葉が混じっているのだという。そして、その紫の葉が混じっている煙草は、通常のものと比べてとても美味しいのだそうだ。
 「ためしに、紫の葉だけ集めて巻いたんだ」友人は、そう言って手製の巻き煙草に火を点けた。すると、煙草の香りとは思えない、まるで安物の線香のような臭いが広がったのだ。しかし、友人は恍惚とした表情で、その煙を吸い込んでいる。
 そんなもの吸って大丈夫なのかと問いかけたが、友人は答えなかった。答えないままに、赤く点った煙草の先端をじっと見つめている。口角が少しあがると、笑ったような表情になった。「これが本当の煙草なんだな。今まで吸っていたのは偽物だ。本物は、何十本かにほんの少し入っているだけなんだ。だまされていたんだ」そう言うと、傍らに置いていた紙巻き煙草のパッケージを破り、中身を取り出して1本1本ばらばらにしはじめた。「これだこれだ」と友人がつまみ上げたその葉は、しかし私には紫色には見えなかった。憑かれたように煙草を切り刻む彼を見て、私は禁煙するべきか迷い続けていた。

第9回ビーケーワン怪談大賞 応募作品


Kwaidan 第16夜・「うつしみ」

 朝の通勤電車で気になる女性がいる。住み始めて半年ほどの独身寮から会社までの3駅、毎朝同じ時間に彼女の姿を見ることだけが楽しみだ。彼女は、憧れていた会社の先輩にそっくりなのである。先輩は、入社2年目なのに、学生時代からつきあっていたという男と少し前に結婚してしまった。会社のだれも披露宴には呼ばず、なぜかひっそりとした退職だった。男が、ぼくと同じ名字だと伝え聞いて、妙に腹立たしく思ったものだ。
 電車で見かける女性は、きっと独身なのだろう。服装が社会人のようには見えないからだ。いくつか先の駅にある女子大に通う学生なのだろうか。先輩に比べると派手目の服装や凝ったネイル、それに濃すぎるマスカラはどうかとも思うのだが、学生時代はそんなものかもしれない。
 ある日の朝、彼女がいつもと違い紺色のスーツ姿なのを見かけた。就職活動中なのであろうか?化粧も控え目になったところを見ると、ますます先輩にそっくりに思えた。いつもならば、ぼくだけが降りる駅で彼女も降りる。改札を抜けると、携帯電話を片手に何かを探しているようだったが、ぼくに目をとめると「・・・社の方ですよね?御社に伺う予定なんですが、どちらの方向でしょう」と尋ねた。その声は、先輩そのものだった。しどろもどろになりながら道順を教えると「毎朝電車でお会いするので、スーツのバッジをおぼえていたんです。これから会社訪問です」と礼をしながら笑顔で言った。
 あの震災以来、我が社は業績不振に陥ったため、新入社員を当面は採用しない方針なのを思い出した。ぼくは、もうしばらくは、いちばん下っ端のままだ。
 あとで会えないだろうかと尋ねようと思った。彼女を旧姓で呼ぶべきかを迷いながら。

第9回ビーケーワン怪談大賞 応募作品

Kwaidan 第14夜・「ボタン」

 まだ若い頃のことだ。ベッドの上で伸びをした彼女の腋の下に黒いボタンのようなものがあるのに気づいたことがある。ほくろかと思ったのだけれど、そうではない。何かのスイッチのようにも見える直径5mmほどの黒い円筒状の突起だった。けげんそうな顔になったのであろうぼくに、彼女は悪戯っぽいような表情をを向けると「そうよ。わたしのボタンはここにあるの」と恥ずかしそうな声で言った。ボタン?ボタンっていったい何だ?そうたずねると、彼女が怒りだした。「ボタンはボタンじゃないの。子供じゃないんだから」と言われたのを憶えている。
 ぼくには、ほんとうにわからなかったのだ。思えば、あのことがあってから彼女とはだんだんとうまくいかなくなったのではなかったか。腕に抱かれた彼女が、ときおり探るようにぼくの身体に何かを探っているようだったのは、ぼくにもあるはずの、あのボタンを見つけようとしていたのではないか?
 彼女と別れてから何年も、ぼくは女性とつきあうことに憶病だった。男女の仲には、まだ自分などがとうてい知ることができていない何かがあるような気がしていたからだ。教えて欲しい。あのボタンのようなものは、どんな人の身体にもあるものなのだろうか?「あたしのボタンはここにある」と彼女は言っていた。ならば、人によって、ボタンの位置は違うのだろうか?わからない。ぼくには、ほんとうにわからないのだ。これを読んでいるあなたは、ご存知なのだろうか?世間では常識で、ぼくが単に男女の仲に疎いだけなのだろうか?
 知りたいのだ。あのボタンを押すと、いったいどうなるのだろう?あれから何年も経って、ぼくにはふたたび恋人と呼べる女性ができた。今度の恋人のボタンはどこにあるのだろう?そして、未だ知らぬ、ぼく自身のボタンを恋人に伝えるには、どうしたらよいのだろうか?

第8回ビーケーワン怪談大賞 応募作品
撰者別ベスト50(加門七海) に選んでいただきました。


Kwaidan 第13夜・「赤い靴」

 ある夜のことだ。真夜中をすぎて家に帰ると、玄関に見慣れない靴が揃えてあるのに気づいた。まだ歩きだして間もない女児がはくような、ピンクの花の飾りがついた赤い小さな靴だ。はて、親戚の子供でも遊びにきているのだろうかと、妻に怪訝な顔を向けると、「その靴、いいでしょう。あの子に買ってあげたのよ」と言う。あの子……?それはいったい誰のことだと問い返すと「いくら仕事が忙しいのかしれないけれど、自分の娘を忘れるなんてあんまりだわ」と泣きだした。忘れるもなにも、結婚して5年、まだ子供はいない。泣きじゃくる妻をなだめながら、ひと目で見渡せるマンションの部屋の様子をうかがったが、子供がいる気配などまるでなかった。
 あれから長い時が流れたが、妻とは一度も靴のことについて話し合っていない。困惑しながらも、夜毎に赤い靴に出迎えられる日々が、ずっと続いているのだ。まるで子供が大きくなるように、靴もだんだんと少女から大人の女性らしいものへと変化していった。今では、出迎えてくれるのは赤いハイヒールだ。しかしながら、この頃では深夜をすぎて帰宅しても玄関に靴がないこともある。たまらなく不安なのはどうしてだろう。この長い年月の間に、赤い靴は私にとってなくてはならないものになっていた。今夜は靴が帰ってくるのを待ってみることにしようか。
 深夜すぎの静寂。外にヒールの足音が徐々に大きく響いてくる。ドアが開いた時、そこにはきっと、華やいだ赤い靴があるにちがいない。その華やかさが不意に怖ろしいものに思えてくる。私はそっと目を閉じて、初めて見た頃の、あの小さな赤い靴を瞼の裏に浮かべようとしてみるのだった。

第8回ビーケーワン怪談大賞 応募作品

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