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2022年11月の61件の投稿

2022/11/29

【読書メモ・感想】『月光魔術團vol11おばあちゃんのスグレモノの夢の遺伝子』(平井和正) 1998/1/3

この巻からインターネットを介してのオンライン出版が始まっているだろうから、読んでる方々はもうしばらく前に読了されてると思う。PDFファイルで、書店で入手する半額くらいの値段で先行出版されているものを読むことができるのだから、いいよなあ。まあ、問題は決済がビットキャッシュ方式なんでその気になって先にビットキャッシュを入手しないとならんことか。ちなみにぼくはまだ入手してない。オンライン出版とでは異動もあるし、なにしろ作者のコメントがちりばめてあるのだから、ファンとしてはぜひ入手したいところなんだが。
ともあれ、ここにきて、ああやっぱりという重大な事実が出てきましたねえ。博徳高校の以前の名前は博徳学園、しかも校庭に1972と刻まれた墓石のような自然石。ネタばれ的になってしまうけど、やはり書かずにはいられないですね。ここってあの場所なんだろうか?しかし、あの場所だとすると、どのパラレルワールドを継承してるんでしょうか?12/24までオンラインで公開されていた特別シーケンスには謎を解く鍵があったのだろうなあ。vol12はオンラインで手に入れようかなあ。(1998/1/3)


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【読書メモ・感想】『千尋の闇』(ロバート・ゴダート) 1997/12/28

イギリス史には疎いので、どの程度歴史的事実を踏まえてこの物語が描かれているのかは判らないのだが、そうしたことを抜きにしても文句なく楽しめる凝った展開のストーリーである。元歴史教師の主人公は、気晴らしに出かけた旅先である実業家を紹介され、彼から仕事を依頼される。その仕事とは、チャーチルやロイド・ジョージとともに大臣に抜擢された若き政治家ストラフォードが何故に理由もなく婚約者に去られ、また大臣の座を追われたかという謎を、彼の残したメモワールを手がかりに探って欲しいというものだった。主人公は調査を薦めるうち、彼が離婚した妻の家族に浅からぬ関わりを持つことに気づいて…、というストーリー。これが処女作だそうで、ぼくが大いに気に入った『リオノーラの肖像』が第二作だというから脱帽するしかない。重曹に歴史をからめ、そのゆがんだ鏡として現代を設定するのはこの作者の得意とする手法であるらしい。この歪んだ鏡を通して、主人公はストラフォードに一体化していくというわけである。なにしろ錯綜していて、かなり複雑な謎が設定されている。時間をかけて読むのに価する長編である。(1997/12/28)


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【読書メモ・感想】『薬指の標本』(小川洋子) 1997/12/28

そのなんともいえぬなまめかしい題名に魅かれて購入した。サイダー工場に勤めていた主人公の女性は、機械にはさまれて薬指の先を失ってしまう。工場を辞した彼女は「標本室」で働きはじめるのだが、そこでは生物にとどまらず人々の思い出の品が標本にされているというストーリー。少々はまってしまった。文体はまるで違うのだけれど、読んでいる間中、安部公房の『第四間氷期』が思い出されてならなかった。
うすく色のついたガラスの壜に時間を封じ込める標本という作業、それはどこか性的な暗喩を持ちながら生臭い感じがしない。どこまでも無機質だからだ。そして標本技術士が彼女に贈るあまりにも足にぴったりとした靴。これもずいぶんと歪んだ愛情表現のような気がするが、ふたりの行為はどこか透明ですらある。そして、ラストシーンで彼女が選んだ道は必然なのだろう。閉鎖的でありながら、淀むことのない悲しいまでに美しい物語でした。(1997/12/28)


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【読書メモ・感想】『蝶とヒットラー』(久世光彦) 1997/12/28

実在する店の陳列棚について語りながら、かくも妖しき雰囲気は久世光彦特有のものだろうか?ここに描かれた店店の多くが、訪れようとすれば実際にそうできるかもしれぬ場所だということがにわかには信じがたいことのように思える。そして、きっとそうしたからといってこの連作に描かれたような雰囲気を自分には感じ取れるとも思われない。「義眼工房」の何ともいえぬ味わいや「黒いパイプ店」に醸し出される闇の雰囲気に酔わずにはいられない。「地下軍装店」の耽美さも「神秘昆虫館」の妖しさも好きだ。ひとつひとつの書かれた言葉に妙に納得してしまうのだ。「夢のまどろみにも似た玩具喪志譚」と帯には書いてあるのだが、単にそれだけにはとどまらぬまさに黄昏の国の物語なのである。(1997/12/28)


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【読書メモ・感想】『創竜伝11銀月王伝奇』(田中芳樹) 1997/12

前巻からずいぶんと間があいたけれど、めでたく11巻である。とはいえ、今回は特別編なので本編とは連続したストーリーではない。作者が実際に見た夢をバックボーンにしているというので、その点も興味深い。ただ、前巻までかなり派手なアクションシーンが展開されていたし、舞台も国際的(?)になっていたので、その続きとして読むと少々スケールダウンした感もいなめない。
まあ、とはいうものの、竜堂四兄弟はあいかわらずである。これだけ世界の、特に日本とやらいう国の政治家の無能さを虚仮にした作品シリーズもめずらしいし、思わず真顔でうなずいてしまう意見なども書いてあってよいのだ。毒舌という点では次男の続に一歩及ばないが、ぼくのごひいきは教師を表稼業にしている長兄の始である。このように生き生きした先生がたくさんいらっしゃれば、教育の荒廃とやらを嘆かずにすむと思うのだがなあ。今回は久々に学校が舞台になっているので教壇に立つシーンなど楽しめるかと思ったのだが、あっさり数行でかたづけられてしまい、その点のみちょっと不満です。(1997/12)


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【読書メモ・感想】『心の昏き川』(ディーン・R・クーンツ) 1997/12/28

モダン・ホラーではないクーンツ作品は初体験である。どうなることかとちょっと心配だったのだけれど、そんな思いはすぐに雲散霧消した。ひたすらにクーンツ節なのだ。心と顔に深い傷を負った孤独な男、男と奇妙な連帯を持つ一匹の犬、そして謎のように現れて姿を消した女。テンポよすぎるくらいにテンポよく物語りは展開していく。この作品ではオンライン・ネットワークを使用したいわゆるハッキングの技術や、そこから不法に得られる情報(これはイコール力と言い替えてもよいね)がテーマのひとつに選ばれていて、そのことも興味深い。とにかく楽しめる作品だ。そして、クーンツを読むといつも人生は捨てたもんじゃないよなという感想を持つことができて、その点もぼくは気に入っているのだ。すばらしい大団円とはいつもいかないで問題は提示されたまま終結するのだけれど、とにかく前進していく力の一助とはなってくれるものね。概ね、ハッピーエンドの物語など読み返す気にはならないのだけれど、クーンツだけは少なくとも希有な例外なのだろう。(1997/12/28)


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【読書メモ・感想】『グイン・サーガ外伝12 魔王の国の戦士』(栗本薫) 1997/12

シルヴィア姫をさがしてのグインの旅もはや三巻目。解説でかの今岡清氏もちらりと触れておられるが、グイン・サーガと銘打つ限り、ストーリーはこちらが本編なんだな。姫の幽閉された塔をさがすグインはグラチウスの暗黒魔道の力によって魔都ホータンへ。うーむ、魔都といえど、前二巻に比べるとまだ人間の領域に属する旅ですね。ぼくとしてはあと一巻くらいはヒロイック・ファンタジー世界の旅でもよかったかな、とも思うのですが。
いよいよ核心に迫ってまいりましたねえ、本編復帰まであと一巻、それとも二巻?カバー表紙を飾る末弥氏のグインを正面から描いたイラストも逸品です。(1997/12)


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【読書メモ・感想】『陰陽師-付喪神ノ巻』(夢枕獏) 1997/12/7

陰陽師安部清明と平安貴族源博雅を中心に怪異な事件を追う人気シリーズの第三弾。やはり興味をそそるのは第一巻の冒頭「玄象といふ琵琶鬼のために盗らるること」の後日エピソードとして「ものや思ふと…」が入っていることだろう。これ、シリーズ中ではもっとも好きな話であったので、それこそほんとうにページを舐めるように読んだ。宮中で歌合わせが行われるのだが、その最後に壬生忠見の「恋すてふ我が名はまだき立ちにけりひと知れずこそ想ひ初めしか」と平兼盛 の「忍ぶれど色に出にけり我が恋はものや想ふとひとの問ふまで」が争うのだが、敗れた忠見は悔しさのあまり幽鬼となって宮中をさまよっているというものだ。この執心というのは物を書くような人にはよく判る種類のものである。まさしく「鬼」なのだ。怖く、哀れで、そして儚い。思わずうなってしまった。きっと文章を綴る人間、いや何かを作り出す人間というのは大なり小なりこのような「鬼」を心に棲まわせているに違いない。
他にも、1、2巻からのエピソードの継承が見られて興味深いものがあります。(1997/12/07)


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【読書メモ・感想】『天狗風-霊験お初捕物控(二)』(宮部みゆき) 1997/11/30

「お初」の長編第二段。今度は若い娘が不可思議な状況で次々に神隠しに遭うという話。「霊験お初」だけに今度も事件には超自然現象がからんでおり、奉行所の通り一遍な調べではらちがあかないのだが。ワトソン役には前作より続投で右京之介、脇をかためる個性的な市井の人々も健在である。
それにしても神隠しというのは昔はほんとうにあったのだろうか?何年も行方知れずになっていた子供がまたふらりと現れたり。ちょっと怖い。そんな現在という時代には決して棲むことを許されない「魔」が、江戸という遠い過去にはまだまだ潜んでいたのかも知れない。この作品で何がすごいと言って、このような不可思議な素材を用いながら、違和感を感じずに時代物としても読めるということだよね。まあ、考えてみれば宮部作品はずべてそうなのかも知れないが。『震える岩』を読了したところのあなた、ぜひ書店に走るべし。(1997/11/30)


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【読書メモ・感想】『覆面作家は二人いる』(北村薫) 1997/11/30

なるほど、北村薫はこういう文章も書くのだな。おもしろいじゃないか。ぼくの周囲ではこの作品は毀誉褒貶が激しかったので読むのをためらっていたのだが、何のことはない。軽快なテンポの快作である。北村作品は「円紫さんと私シリーズ」、『冬のオペラ』、『ターン』、『水に眠る』とかなりランダムに読んできたわけだけれど、長編としてはこれ初めて男性の視点で描かれているのだな。この点も興味深い。あれだけ女性の視点で書くことを得意としている作家がどうやって男性一人称をこなすのか?単行本は平成3年になっているから、いまさらこんなことを言っているのはぼくくらいなのだろうが、それにしてもおもしろい。主人公は出版社に勤務する編集者で、担当しているのが姓は「覆面」名は「作家」という、じつはお嬢様作家というオフザケな仕掛け。このお嬢様のキャラクターがしかも、そんなばかなと思わずつぶやいてしまう妙なもの。主人公のふたごの兄は刑事をやっていて主にそこから事件に(自主的に)巻き込まれる。日常的素材をミステリー仕立てにしているという点のみ既読の北村作品と通じているか。何にせよキャラクターすべてが生き生きしていて、読んでいて心地よい。すべて文庫化されるまで、ぼくは果たして読むのを待てるだろうか?(1997/11/30)


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【読書メモ・感想】『日本ジジババ列伝』(清水義範) 1997/11/23

もはや老人を描かせて清水義範の右に出る作家はいないだろう。傑作「霧の中の終章」や「ワープロ爺さん」、また『やっとかめ探偵団』を考えてみればすぐわかることである。その「老人物」の短編がまるまる一冊、こんなおいしい短編集はなかなかにお目にかかれたものではない。あんまりギャグ味はなくて、しみじみ書いているというところもよいねえ。作者のインド旅行体験をバックに描いた「八十年間世界一周」に老人のヴァイタリティを見ることもできるし、嫁姑問題を扱った「お客さん」に人生の悲哀を感じることもできる。あとがきに「老人は老人になり得た点ですばらしい、天才的な人物が大いに偉業を残しても、例えば五十歳で亡くなっては悲しいではないか」とあのだけれど、なんだか納得してしまうなあ。老人への愛がある作品集です。(1997/11/23)

【読書メモ・感想】『踊るひと』(出久根達郎) 1997/11/23

これはいったい何だ?けっしてウマイ作品集だとは思わないんだけど、妙に心にひっかかかるなあ。作品傾向もそれぞれ別物だし、ほんとうにこれひとりの作家の作品集なんだろうか?意識してやっているんだろうなあ。なんだか妖しい。不治の病にかかった姉と結婚した義兄のラブレターがじつはすべて盗作ではないかという疑いが綴られた友人の手紙というのが表題作。これを読んだ時点では昔のスタンダードなSF短編、例えば眉村卓なんかに通じるかと思っていたのだが、そのあと作風は二転三転。まあ、言えるのはどれも妙に奥歯に物のはさまったような終わり方をするということか。こういうのも心に残ったというんだろうか?(1997/11/23)


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【読書メモ・感想】『ライン』(乃南アサ) 1997/11/23

毎日のようにメッセージをとりかわしているけれど、ネットワークの向こう側にいる人たちの表情は見えない。これはそんな恐怖を描いた物語。三浪の決まった主人公は受験勉強から逃避するようにパソコン通信にのめりこむ。ほんとうの自分を隠すように本来の男性ではなくて女性として参加して。なんだか身につまされる話ですよね。ハンドル・ネームや発言からはなかなか性別は推測できないものなあ。ぼくのネット上の友人たちにも、本来の性別を隠している方もいらっしゃるのかもしれませんね。
でも、そんなネット上での交友がやがて恋にかわってしまったら?主人公に「会いたい」というメッセージを入れ、現実世界(!!)での再会を約した男性が次々に殺されていきます。ネットワーク世代の心理状態をかなり的確に描いていて、秀作です。(1997/11/23)


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【読書メモ・感想】『晴れた空から突然に…』(田中芳樹) 感想 1997/11/16

豪華飛行船に乗って空の旅としゃれこんだのはいいけれど、企業秘密を盗み出した犯人とそれを追う人々が乱入してきて大騒ぎ。何ページか読んで、これどっかで読んだことあるような、と思う。急いで奥付けとかを確認すると1990年ソノラマノベルとなっている、うーん、どうやら誰かに借りて読んだものだったようだ。まあ、面白いからよしとしよう。田中芳樹では『銀河英雄伝説』とか『アルスラーン戦記』とかの架空年代記の他に単発でこういうちょっとライトで面白い作品があるので要チェックですよね。『創竜伝』にしてもそうだけど、この作品中でも悪役たちは徹底的に間抜けで笑える存在です。でも、そういう思わず失笑してしまうしかないような人々が政権とか持っているんだなあ、と考えると怖い。皮肉な調子で作品中ではやりこめられているんだけど、現実世界ではこうはいかんのだろうなあ。(1997/11/16)


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【読書メモ・感想】『百の眼が輝く』(かんべむさし) 1997/11/16

なんだか久し振りのかんべむさし短編集。恐怖あり笑いありといつもの調子。表題作はあんまり面白いとは思えなかった。むしろ、本領発揮はスラップスティックなブラックコメディ「空飛ぶ棺桶」や「きったねえよなあ」、または何だかシュールで思わず首を捻ってしまう「蛸の街」でしょう。もっとも面白かったのは「グリコ・森永事件」を題材にしたミステリ風な味付けの「数々の不審」、主人公の人物描写がじつに愉快で笑ってしまうんだが…噂話もほどほどに、ですね。唯一SF風(「蛸の街」はSFじゃないよなあ????)の「傷、癒えしとき」はスタンダードな味わいで、改めて自分がこういう作品に飢えていることを思い出さされてしまった。こういう作風のものって最近では清水義範くらいしかいないような気がしてさびしい。昔風SF短編ってどこに行ったら読めるんですかねえ。(1997/11/16)


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【読書メモ・感想】『グイン・サーガ58 運命のマルガ』(栗本薫) 1997/11/16

ついに予定されていた運命の歯車のひとつが廻ってしまいましたね。あるべくしてある展開。それにしてもイシュトヴァーンとアルド・ナリスの再会っていうのは、あらゆる意味で波乱含みですよね、リンダとかアムネリスとかのこともあるし。このふたりっていったい…。問題はグインが現実世界に復帰した時点で、架空三国のふたつであるゴーラとパロがどのような状態に陥っているかなんだけど。もはやゴーラ再興は眼前だから僭王イシュト誕生にはあと4~5巻、早ければ2~3巻というところだしなあ。これで力的に均衡させるためにはグインの完全復帰までにナリスは…。何せ『七人の魔導師』の冒頭の件があるんだから、今回の密約は成就しないような気がするし。
来月は外伝、再来月は本伝が続けて出るので、あまり待たされずにはすむでしょう。(1997/11/16)


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【読書メモ・感想】『光の帝国-常野物語-』(恩田陸) 1997/11/16

奇妙な力を持つ一族を描いた連作短編集。冒頭の「大きな引き出し」という大量記憶能力を持つ家族を書いた短編ではまってしまう。不可思議に透明な調子の文章がまず何といってもよい。読んでいて心地よいのである。それに、記憶するのが古典文学っていいうのがすばらしい。超能力を持つ一族が隠れ里に棲んでいるという設定なんだけど、彼ら自身だけではなく、「達磨山への道」や「草取り」みたいに周囲のふつうの人々の目を通しての作品も出てくるのもよい。超能力一族を主人公にしてしまうと、やたらに悲劇的になってしまうもんなあ。この作品集中、明確に悲劇のトーンをもって描かれるのは表題作だけなんだけど、構成上これは仕方ないよね。なんだか、半村良の『産霊山秘録』のとあるシーンを思い出してしまった。
この物語では、彼らの持つ特殊能力にどういう意味があるのかとか、そういうことにはあんまり触れてない。まあ中には「オセロ・ゲーム」みたいに否応なく奇妙なものを「裏返す」ことを余儀なくされた主人公もいるんだけど。何か現代を舞台にした話なのに昔語りを聞いているような不可思議な雰囲気。いちばん興味深かったのは「二つの茶碗」でしょうか、未来の見える少女の話ね。これらのエピソードはやがてひとつに収斂していき最後に隠れ里の再生を描いた「国道を降りて…」に至るんだけど、まだ何も解決されたわけではなく、物語は始まったばかりなんだよという感じ。「オセロ・ゲーム」の後日譚や作中何度も触れられている神隠しの話は作者自身が「書いてみたい」とあとがきで触れているので、ぜひぜひシリーズ化に期待したいです。(1997/11/16)


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【読書メモ・感想】『地球樹の女神4 わが母の教えたまいし歌』(平井和正) 1997/11/9

最近、ASPECTで平井和正フェアをやっているんですよね。TVコマーシャルもやっているはずなんだけど、いっこうにお目にかからない。先日やっと平井和正ホームページ "Moonlight Campus"で確認したところ。この『地球樹の女神』に続いて『死霊狩り』も復刊されるとのことで、十代のファンからしてみると、幻の作品がどんどん読めるようになっているというところだろう。また、同ページで『月光魔術團』をPDFファイルにしてインターネット先行発売している。立ち読みできるというのも何とも嬉しいじゃありませんか。平井作品の出版形態って昔から時代に敏感だもんね。しばらく行かないでいるうちに会議室もオープンしていて、管理者には当ページもリンクしていただいている「カナメさんの野獣の雄叫び」のカナメさんがあたられているようです。今度遊びに行きますからね、ってダイヤルアップ料金大丈夫かいな?<自分。
えーと、作品に触れねば。この巻では後藤由紀子は登場しないんだよね。四騎忍の心理的な変化を追って急展開です。面白い、これ昔どうして途中で放り出せたのか不思議だな。泉谷あゆみさんのイラストも毎回よいですしね。とはいえ、今回の156ページのは電車の中で読んでてちょっとバツが悪かった。隣に座っていた若い女性に睨まれたような気がするのだが、気のせいかなあ。(1997/11/09)


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【読書メモ・感想】『夢にも思わない』(宮部みゆき) 1997/11/2

『今夜は眠れない』の続編。中学生コンビが今度は殺人事件に巻き込まれる。ちょっと読後感がよくないのは、身勝手さということについて考え込んでしまったからか。うーん、中学生くらいってけっこう身勝手なものじゃないんですかねえ。たぶん、この主人公とか主人公の親友とかはいわゆる「よくできる」子供のほうに分類されるわけだよね。でも誰かに何かを期待しておいて、それが自分の思った通りではなかったからといって幻滅してしまうというのはどうなんだろう。それによって彼らが思っていたすべてが無に帰してしまうんだろうかな。感情の問題と言ってしまうとそうなんだが。まあ、ぼく自身この手の行為を「許せる」ほど大人でもないんだけどね、でも自分が「許せる」とか「許せない」とか口にできるほど大したものかとも思ってしまうわけ。あーあ、そういう意味では子供たちは純粋ってことで、その純粋な残酷さについて作者はうまく描いているってことなんだろうなあ。複雑。(1997/11/02)


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【読書メモ・感想】『フロスト日和』(R・D・ウィングフィールド) 1997/10/25

もっと早くに訳されると思っていたのに、結局3年も待たされてしまいましたよ。前作『クリスマスのフロスト』がまったくデタラメに面白かったのに、どうしてもっと早く訳さなかったんでしょう?どうやらシリーズあと2冊刊行されてるようなので、今度はお願いしますよ。もっとリアルタイムにね。出版後10年で翻訳はちょっと悲しいですから。
このフロスト警部、ほんとうに食えない男なんです。イギリスの地方都市にある警察署に勤務してるんですが、勤務態度は最低、捜査方法はでたらめ、服装はだらしなくて、口を開けば下品なジョークばかり。まったく何を考えてるんだか。作品中ではまったくランダムに事件が多発し(モジューラー型警察小説というんだそうです)、フロストは悪戦苦闘を強いられます。どこの会社にもいそうな点数稼ぎしか考えない上司やできがよいとは言えない部下にかこまれ、事件の汚い部分を専門に引き受けているかのような仕事振り。でも、これだけデタラメなのに、フロストは仕事中毒でもあるんです。アンビバレンツが服を着て歩いているようですね。あれだけの事件、結局すべてフロスト自身が解決することになるんですから、まったく何だかな、という気分。
コロンボでも中村主水でも、だらしないのは見かけだけで、じつは深い考えがあったりして見せ場では格好いいんですが、フロストはこれが地なのね。でも、実際のところ仕事ってこんなもんじゃないかい?ぼくらは彼ほど自分のペースに持ち込めないだけなんでしょうが。そういう意味でも面白いキャラクターなわけですよね。この格好悪さ、じつにすばらしいじゃありませんか。(1997/10/25)


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【読書メモ・感想】『水に眠る』(北村薫) 1997/10/21

ミステリ短編集だと思って購入したんですが、いささか違うようですね。幻想作品集と言ったほうが似合うのかもしれない。
「恋愛小説」は近作の『ターン』を想起させられました。電話を通しての交流って不思議なものですね。心理描写が秀逸であります。聞こえるのがピアノの音っていうのがいかにも北村薫らしいような気がします。
表題作「水に眠る」はまことに不可思議な作品。でもこの調子でやられると、この世には不可思議なことなんてないんじゃないかとも思ってしまいますね。思わず自分でも試してみようかと思ってしまいました。
いちばん気に入ったのは「植物採集」。これはすべてのシーンが浮かんでくるかのようです。ちょっと気になる男性のネクタイを通してのエピソードなんですが、なるほどこういう結末になるのか。せつない作品ですね。
「矢が三つ」というのも面白い。出生率が変化したため二夫一妻になった世界で、妻が二番目の夫を迎えるという話。うまいなあ。この夫婦の中学生になる娘の視点で描くとうのもよい。村田基の『フェミニズムの帝国』みたいに悲壮なことにならず、あくまでこれが日常なのが秀逸。
それから「ものがたり」。これ何なんだろう。受験のために家に泊まっている奥さんの妹が語る物語。どこに話が転じていくのだろうと不思議に思っていると、あの結末。思わず凝然としてしまい、二度三度読み返してしまった。わからない、わからないぞ。とりようによってはどうとでもとれる結末なんだけど、考え込んでしまいました。(1997/10/21)


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【読書メモ・感想】『真紅の呪縛』(トム・ホランド) 1997/10/25

詩人バイロンの回想録を探している女性が出会ったのは、吸血鬼と化していまだに生き続けているバイロンその人だった、という設定。作者はケンブリッジ大学の博士課程でバイロン研究をしている時この物語を着想したそうで、ところどころに挿入されるエピソードはけっこう深いものです。ふつうの人間が吸血鬼に血を吸われることで自らもその闇の運命を辿るようになるというのは、他でも書き尽くされてきたものなのでしょうが、この作品では吸血という行為にもうひとひねり加えてあります。そして、それこそが最早人間ではなくなったバイロンを苦悩させる原因となるのですが。まあ、その設定については読んでのお楽しみとしましょう。難を言うと、バイロンの回想だけが妙に長々と語られて、前述の女性に関わる部分が少し薄いですし、尻切れとんぼのような結末にもちょっと拍子抜けしてしまったのですが、それを勘定に入れてもかなり楽しめる作品です。(1997/10/25)


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【読書メモ・感想】『スターダスト』(ロバート・B・パーカー) 1997/10/21

毎年恒例の「スペンサー・シリーズ」文庫化。謎の脅迫を受けている女優の身辺警護というのが今回のメインストーリーだが、例によってストーリーを追うのは物語の興味の半分といったところ。やはり主人公スペンサーが会話のはしばしに見せる生き方についての考察を試みるのがもうひとつの楽しみだ。残念だったのは、ぼく自身がハリウッド映画にはまったく詳しくないことで、ほのめかされているエピソードの半分も理解できないことだろう。まあ、これはいつものバスケットボールについての話題なんかでもそうなのだが。とにかく、今回は思わず怒鳴りつけてみたくなるようなわがまま女優を相手に悪戦苦闘するわけで、はっきり言えばどうしてあんなに寛容になれるのかいささか理解できない。後半に出てくる精神分析学的なエピソードも、せっかくスーザン・シルヴァマンというメインキャラクターがいるのだから、もう少し早くに出してもよかったのではないか。まあ、『初秋』でスペンサーとポールが建てたログハウスが出てきたり、『残酷な土地』で亡くなった登場人物の墓参りシーンがあったりと、シリーズ読者にはお楽しみなシーンも多かったです。しかし、リアルタイムで時間が流れているのだけど、スペンサーって今何歳なんだろう?(1997/10/21)

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【読書メモ・感想】『グイン・サーガ外伝11 フェラーラの魔女』(栗本薫) 1997/10/12

前巻を受けてグインのシルヴィア皇姫を探しての旅は続く。ヒロイックファンタジー色の強い一巻。これがきっとグインサーガ本来の色彩なんだろうな、と思うとちょっと妙な気分。ふだん本伝のほうが政治劇になっているせいだろうか。グイン個人に焦点があてられ、掘り下げられる機会はあんまりないものね。今回はグインの出自をめぐる謎「暁の女神アウラ」と「ランドック」の秘密の一端までせまったわけだけど、かえって判らなくなったなあ。グインって何で追放されたんでしょう?記憶をなくしても、人間の性格なんてそんなに変わるもんじゃないですよね。ということはグインだって、あれがたぶん本来の性格なんでしょうに。わからんぞお、と言いつつ100巻までおつきあいですね。来月は本伝が出るようだし。(1997/10/12)

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【読書メモ・感想】『幻惑の死と使途 ILLUSION ACTS LIKE MAGIC』(森博嗣) 1997/10/12

奇術師が衆人環視の舞台の上での脱出マジックショーの最中に殺害される。しかも、その遺体が葬儀の最中に棺の中から消失。こういうシチュエーション好きでたまらない。ミステリもマジックも種や仕掛けがあるものだけど、それを知ってはいても愛好する人は少なくない。ぼくもその一人。中でも脱出マジックは格別ですよね。それがミステリ仕立てになっているんだから、もうこれは好物の二乗ってなもんですよ。「人間は幻惑されたい生き物なのだ」うーん至言ですね。この物語、時間的に次作の『夏のレプリカ』と対になっているそうで奇数章しかなかったり、期待したほどの進展が犀川&萌絵になかったり、TMコネクションとか出てきたりと、ちょいと不満なところはあるんですが、それは後のお楽しみですか?でも、メンタルには犀川先生ずいぶんやわらかくなったのか?それとも馴らされたのか?ラストシーンは極甘だと思うのはぼくだけかい?はずかしいぞ。蛇足ながら次巻予測。『夏のレプリカ』は執事の諏訪野が「お嬢様、お電話ですが」とか言いながらこの極甘ラストシーンを中断するとことから始まる(と面白いんだが)(1997/10/12)

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【読書メモ・感想】『月光魔術團vol10満月魔法術』(平井和正) 1997/10/12

いささかC調なリズムの文章にだまされてはいけないと思うのだ。平井作品は平井作品、その根底に流れるものは同じではないのか?この巻を読み終えてふと思った。登場人物である人美のさまよう現実とも夢ともわからぬ超夢の世界というのは、かつて『幻魔大戦』で東三千子がさまよった世界と等質のものではないのか?主人公メイはここしばらく姿を見せないけど、それはあの主人公の作品世界からの失踪と同じものではないのか?またしても登場人物たちは世界の真実の姿を、そして主人公の姿を追ってあてもない苦闘を強いられることになるのではないのか?人美があんなこと(笑)になったのは、他の登場人物をしばらくの間守る責務が生じたためではないのか?インターネットでの先行出版も計画されているという噂の作品、まだまだ目が離せない。(1997/10/12)

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【読書メモ・感想】『幻の特装本』(ジョン・ダニング) 1997/9

あの『死の蔵書』の続編。主人公は警官から古書店のオーナーに転職しております。物語の方はといいますと第一部では『死の蔵書』に劣らず蘊蓄の連発。外国のものにせよ日本のものにせよ古書業界のことなどよく判らないんですが、要は希少な美本には高値がつくということ。判らんなあ、ぼくなどにとっては内容がすべてなので、金がない学生時代などは表紙のとれた文庫本を一山いくらで買ってきて貪り読んだものですが。読みもしない本を書棚の装飾用にコレクションする人間とはお友達になりたくないね。まあ、それはともかく、蘊蓄に明け暮れるのは第一部のみで、第二部からはポーの『大鴉』の限定特装丁本とそれを製本した職人の辿った足跡を軸に事件は急展開していくことになります。第二部以降はなんだかハードボイルドものみたいですよ。『死の蔵書』では警官という職業に縛られてか主人公に煮え切らない部分があったように思うけど、今度は吹っ切れていてよい。まあ、逆に職権濫用できないけどね。物語は全体的にバランスがとれていてよいと思うんですが、ぼくとしては第一部の味わいでずっと続くことを期待していていたんですけどね。まあ、ストーリーから言ってそうはならなかったわけ。それと、ひとつだけ不満があって、それはとある女性の運命にかかわることなんだけど、書くとネタバレするので書くことができない。でも一言だけ。あのラストシーンは余韻があってそれなりによいんだけど、あそこまで引っ張っておいてそうなるの?ってなわけで、皆様の感想やいかに?(1997/09/)

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【読書メモ・感想】『大探検記 遥か幻のモンデルカ』(清水義範) 1997/9/28

秘境探検記のパスティーシュ3編。とはいえ、茶化しているのではなくて、大真面目にやるのである。大真面目だからこそ、なお面白いのだよね。第1話「悠久のアクチアジャンパン」はひたすらドキュメンタリータッチで、最後の落ちがなかったらこのまま信じる人もいるんでは?第2話「渾身のアドベンチャー・ロード」はありがちかもしれないなあ、と思う。じつは秘境探検物のほとんどはこんなもんじゃないんかい?第3話がいちばん素敵。表題作でもある「遙か幻のモンデルカ」、モンデルカというのは秘境に生息しているという幻の怪獣なのだ。これこれ。なんだか聞いたこともないような名前の密林に幻の怪物を追う。いやあ、川口浩探検隊だよねえ。この乗りが大好きだし、この怪物の正体には思わずニヤついてしまうぞ。(1997/09/28)

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2022/11/27

【読書メモ・感想】『チ。―地球の運動について―』(魚豊) 2022/11/27

「コペルニクス的転回」という言葉がある。天文学者コペルニクスが、天動説を捨て地動説を唱えるようになったことにちなみ、物事の見方が180度転換した状態を言う。これは、そのコペルニクスに至るまでに「地動説」がどのように受け継がれてきたのかを描いたフィクションである。フィクションなので、歴史的事実とは異なる。出てくる宗教もイニシャル表記だし、登場人物もすべて架空であるとのことだ。
物語を追うごとに主たる登場人物が移り変わり、「地動説」が継承されていくという構成が斬新だと思う。Amazonで巻の紹介を読むと「命を捨てても曲げられない信念があるか? 世界を敵に回しても貫きたい美学はあるか? 」とあり、雰囲気は察してもらえるのではないか?「プロジェクトX」的な熱い物語が好きならば刺さるはずである。しかも「地動説」は「異端」なので命がかかっている。全8巻、とても面白く読めた。

ところで、地動説といえば、コペルニクスとともに口にされるのはガリレオである。もちろん湯川教授のことではなく、そのニックネームの由来になったガリレオ・ガリレイのことだ。昔から子供向けの伝記シリーズにも入っており、「それでも地球は動く」という名言でコペルニクスよりは馴染みなのではないか? 宗教裁判にかけられてもそのように呟いたとされる姿勢が、まあ教育的にはお手本とされるところであり、地動説に関する西洋での異端イメージを日本人に根付かせたのはこの伝記なのでは、と思ったりはする。

あと、伝記ではないが、ガリレオの後半生を題材とした古典といえば、ブレヒトの戯曲『ガリレオの生涯』がまっさきに思い出させる。『チ。―地球の運動について―』を読んで「地動説」のその後についてもう少し知りたいと思ったら、読んでみるといいのではないか。昔、白水社のものを読んだが、とても興味深かった。いつだったかNHKで放映していた舞台も観たんだが、背景で振り子がずっと揺れている演出(?) のもので、当時の(というか、きっと今でも)自分には難解だった。

 

 

 

 

 

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2022/11/26

【読書メモ・感想】『忠臣蔵元禄十五年の反逆』 (井沢 元彦) 1996/12/6

歴史ミステリというと、まず思い浮かべる作家は井沢元彦です。梅原猛の『水底の歌』に材をとった秀逸なデビュー作『猿丸幻視行』以来コンスタントに発表され続ける作品群はとてもすばらしいものです。ノンフィクションでも『逆説の日本史』シリーズをはじめとして、鋭い考察がなされています。さて、この作品は題名の通り忠臣蔵の真実を解き明かしていく趣向になっています。なぜ赤穂浪士は反逆しなければならなかったのか?吉良上野介はほんとうに悪人だったのか?松の廊下を写実的に描写したならば?そして、浄瑠璃『仮名手本忠臣蔵』に秘められた作者の真実の意図<将軍討罰>とは?義士討ち入りの日も近いことですし、このような物語も一興かと。(1996.12.06)

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【読書メモ・感想】『秘密なら、言わないで』 (ジョイ・フィールディング) 1997/1/10

未読だったフィールディングの邦訳第2作。ちょっと滅入ってしまうようなストーリーでけっこう読むのに手間取った。主人公は女性検事で、レイプ事件だのアーチェリーで妻を撃ち殺した男の事件だのを担当しているのだが、そのうち身辺に不審事がおこりはじめて、というストーリー。1996年11月の感想で作者は男性嫌いか、と書いたのだけれどどうなのだろう?たしかに世の中にはひどい事件がたくさんあるのだけれど。男性の持っている暴力的、あるいは支配的な傾向を特殊化して書いてみるとこういう作品になるのだろうか。しかし、フィールディングの作品を3作読んでみて、そのような男性の象徴として描かれる「犯人」が誰なのかを謎解きで知った時、ちょっと寒気がしてしまう。思わず、すべての男性がこんなじゃないですよと反論してみたくなるのだけれど、それは逆にぼく自身が男性であることを証明しているのにすぎないのでしょうか。(1997.1.10)

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【読書メモ・感想】『スワン・ソング』 ロバート・R・マキャモン 1997/1/5

「現代の聖杯伝説」というふうに謳ってあります。最終核戦争後の北米において、生命の復活の鍵を握る少女とそれに関わる人々の物語。ちょっと、「風の谷のナウシカ」を思い出しました。マキャモンは「第三の男」と呼ばれているそうですが(映画の題名ではなくて、キング、クーンツに並び立つということ)、この作品からはモダンホラーの臭いはあまり感じられません。実際、作者はモダンホラーという枠に嵌められるのを嫌っているようだし。滅亡後の世界を描いたものとしては(SF的見地に立つと)ちょっと平凡な印象もあるけれど、人間ドラマとしてはとても良い出来です。舞台が北米に限られているのが最終戦争ものの長編としては少し物足りないような気もするけれど、これは物語の展開上必然的にこうなるのだろうな。滅亡後の登場人物たちの心理的変化の過程が面白いです。(1997.1.5)

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いろいろ思うところあって

いろいろと思うところあってデータを整理中。古い読書メモが新しい日付で更新されていたり、順序がおかしかったりしますが、ご寛恕あれ。整理した読書メモはタイトル欄に日付を入れております。というか、現状では、ほとんどどなたもここは読んでいらっしゃらないはず。
もし、気力が続けば、続けて整理していきます。

 

【進捗状況】
2022/11/26 :1996年の読書遍歴を整理 

『屋根裏に誰かいるんですよ。都市伝説の精神病理』 (春日武彦) 感想 2022/10/31

小説ではなく、精神科医の作者が集めた「屋根裏に誰かがいる」という幻の同居人といった類の妄想ケースの解析。新聞記事や諸外国の事例にととまらず、国内の座敷牢や、作者が実際に出会ったケースもあり。乱歩・横溝の時代であればともかく、いまだに形を変えてそのような空間が実在しているのか。読んでいると、急に窓外に見える家々や、果ては自分の家までもがおそろしくなってくる。

 

 

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『機械仕掛けの太陽』 (知念 実希人) 感想 2022/11/3

サイン本を三省堂で入手。COVID-19との戦いが、コロナ病棟の医師、同看護師、町医者の三者の立場から時系列に語られる。事実の積み重ねが基になっているからこその、現場の臨場感が伝わってくる。きっと同じようなことや、それ以上のことが各地の医療現場で起こっていたのだと思うと、読んでいて胸がしめつけられるようになる。医療に携わる方々に感謝するとともに、この戦いがまだ終わったわけではないことを改めて自分の肝に銘じたいと思う。

 

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『緑の我が家』(小野不由美) 感想 2022/11/6

『緑の我が家』(小野不由美) 感想
冒頭の「『緑の扉』という小説」はウエルズの短編かな?O.ヘンリーの方ではあるまいと強く思うが、主人公の高校生が手に取りやすいのは後者かも。いずれにせよ緑の扉の向こうは、趣きは違えど何らかの異界が広がってるものなのかもしれない。また、ハイツ・グリーンホームという場所が、主人公の過去の記憶に繋がっているところも『残穢』に通じるようで面白い。

 

 

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【読書メモ・感想】『お父さんの会社』(草上 仁) 1996/12/31

世の中にコンピュータ・ネットワークを素材にした小説は数多くあるのですが、その中でもイチ押しです。草上仁というと短編作家というイメージがあったのですが、この長編でぼくの思い込みを嬉しい形で裏切ってくれました。この小説の主人公たちは、大規模商用ネットを利用したリアルタイム・オンライン・ゲームをやってるんですが、それが「新入社員としてスタートし、幾多の苦難を乗り越えて、出世の階段を昇っていく」という内容のRPGで、その名も「カイシャ・クエスト」。いや、このゲーム描写のすばらしいこと。本当にこれが発売できたら、まじに流行るんではないか、と一瞬思ってしまう。で、ストーリーは、主人公がゲーム内で出世のためにつくった資料が現実世界で自分がタッチしないところで盗用されていることに疑問を持って、というもの。1993年の出版なので多少書店で見つけるのは難しいかもしれないけれど、ネットワーカーは必読の書。(1996.12.31)

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【読書メモ・感想】『フェミニズムの帝国』 (村田 基) 1997/1/5

男女の立場が逆転、というと差別表現か?とにかく、女性優位社会を描いた悪夢のような物語である。女性とは何か?男性とは何か?いわゆる「女らしさ」とか「男らしさ」の常識を徹底的に打ち砕いてくれる。職場の女性上司にたいした理由もないのに配置転換を申し渡された主人公の男性が帰宅途中にレイプ事件(あの、誤解なきように書いておきますが、女性が男性をレイプするのです、この物語の世界では)に巻きこまれたのをきっかけにメンズ・リブ運動に身を投じ、男性と女性の社会的役割(といわれていたもの)が逆転したのはどうしてなのかを疑問に思いはじめる、っていうのが粗筋なんだけど。いや、すごい物語ですよ、これは。SFなんかには興味ないという方にもぜひ。(1997.01.05)

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【読書メモ・感想】『ホット・ゾーン』(リチャード・プレストン) 1997/5/17

この本の感想、とっくに書いたつもりになっていたんだけど、どこにもないじゃないか。昨年にテスト版を作った時に書いて破棄したんだっけ。
それはさておき、本書はエイズより怖いエボラ出血熱について書かれたノンフィクションです。致死率90%、犠牲者の肉体を融解させ全身から血が噴出し肉の塊のようになって死に至る恐怖のウイルス、エボラ・ザイール。まるで悪夢のような話なのですが、これはすべて現実に起こったことなのです。しかも、その恐怖は明日の自分のことかもしれません、このウイルスが日本に上陸することが決してないと誰に言えるでしょうか。身も凍るような思いが読者を捉えて離さないことでしょう。凡百のホラー小説が彼方にかすんでしまいます。フィクションとしてこの病気を扱った作品、「アウト・ブレイク」(ロビン・クック)も併読をお薦めいたします。(1997.05.17)

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【読書メモ・感想】『香水 -ある人殺しの物語-』 (パトリック・ジュースキント) 1997/5/17

何とも不思議な鼻の物語。十八世紀のフランスを舞台に調香に魅せられた男を描く。体臭がないという不思議な体質を持つ主人公は、究極の香りを求めて香水の材料をさがします。そしてかれが行き着いたものとは。体臭がない代わりに他人よりきわめて鋭敏な鼻を持つ主人公、香りフェチというか何というか、徐々に行動が奇妙になっていきます。彼の行き着いた芳香の原料には慄然としますが、この物語の結末部には何やら奇妙な感動さえ覚えてしまうのはどうしてでしょう。現代ドイツ文学の逸品です。(1997.05.17)

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【読書メモ・感想】『怪盗紳士ルパン』 (モーリス・ルブラン) 1997/5/18

アルセーヌ・ルパン全集の第1巻。ルパン対ホームズという図式を考えた時、ぼくはやはりルパン派なのだな。洒脱で軽妙、これルパンの持ち味ですよね。第1話の「ルパン逮捕される」は何とも言えない恋愛小説とも読めるし、第2話「獄中のアルセーヌ=ルパン」で脱獄可能なら最初からつかまらなければいいのにと皮肉をいうガニマールに「女がぼくをみつめていたのですよ」などと答えてしまうのがすばらしく粋じゃないですか。この恋は第1短編集の最終話「おそかりしシャーロック=ホームズ」で苦く思い出されるのですが...ルパンの恋って成就しないのがお約束なんだけど、長編『奇岩城』の結末なんかはその昔読んだときには泣いてしまったな。偕成社の全集なら、小学校高学年くらいから読めるのでは。他にお薦めなのは第14巻の『八点鐘』っていう連作短編集。(1997.05.18)

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【読書メモ・感想】『マイナス・ゼロ』(広瀬 正) 1997/6/8

タイムトラベルSFの佳品を挙げろと言われたら、間違いなくBEST1にぼくが推薦する作品。ちなみに次点は『夏への扉』(R・A・ハインライン)でしょうか。
とにかく、この作品の仕掛けは凝りに凝っていて、なまなかなミステリなど足元にも近づけない完成度を持っています。ふとしたことからタイムマシンで過去に迷い込んだ主人公が、31年の時を経て帰還するまでの物語。そこに仕掛けられたタイムパドラックスの数々はじつにすばらしいものです。昭和初期の生活風景が微に入り細を穿って描写してあり、この物語の現実味を高めています。もちろん単純な比較はできないのだけれど、広瀬正の諸長編はジャック・フィニイの短編に雰囲気が似ているような気もする。過去に対するノスタルジックな思い入れ。それによって眼前に見事に再現される「もうひとつの過去」は、ぼくたちを幻想的な時間に誘ってくれます(1997.06.08)

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【読書メモ・感想】『アルジャーノンに花束を』(ダニエル・キイス) 1997/05/18

キイスの作品も今では書店に数多く並んでいますが、ほんの10年くらい前まではキイスというとこの作品でしたよね。脳外科手術によって白痴から超天才へと変貌を遂げた主人公チャーリー・ゴードンが、自分の前に手術を受けた白ネズミのアルジャーノンの術後経過を研究していて、その効果が長時間は持続しないと気づくという物語。天才になることで友人と信じていたすべてを自分の世界から無くしてしまう物語。そのせつなさはいつまでも変わることなく、読み返すたびに感動を与えてくれます。チャーリーが到達したやさしい境地に、いったい人間のどれほどの者がたどり着けるというのでしょう。結末の手紙の「ついしん」に秘められた限りないチャーリーの想いにあなたは何を感じるでしょうか?(1997.05.18)

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【読書メモ・感想】『月光魔術團 VOL5 毟らないで小さな紅い薔薇』 (平井 和正) 1996/11

ウルフガイ・シリーズの最新作。平井和正作品が毎月読めるだけでぼくは天国にいる気分です。総論は完結時にするとして、まあ何と魅力的なんだろう犬神明(メイ)は。まさかウルフが女の子になってしまうなんて、誰が考えたでしょう。イラストはあの泉谷あゆみ。まさにウルフのために存在するイラストレーターです。(1996.11)

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【読書メモ・感想】『プレイメイツ』 (ロバート・B・パーカー) 1996/11

毎年、年末近くなるのが楽しみです。スペンサーシリーズが順次文庫化されるからです。今回の事件背景は大学バスケットボールの八百長事件。スペンサーとスーザン・シルヴァマンの大人の恋人同士の洒落た会話もあいかわらず絶好調です。それにしてもスペンサーが文庫化するまで待ってるなんて、ぼくは何て贅沢な人間なんだろう。まあ、もし明日世界が滅びるとしたら、今日中にやることの中に「残りのスペンサーシリーズをすべて読む」というのを入れているけどね。 (1996.11)

【読書メモ・感想】『今夜は眠れない』 (宮部 みゆき) 1996/11

これは92年の作品の新書化です。未読の宮部みゆきの作品ってあと何々だろうと考えるとちょっとうれしい。すべての本をハードカバーで買うわけにはいかないもんね。5億円の遺産が母親の過去の知り合いから突然ころがりこむ一家の物語。主人公は中学生の少年であります。少年を主人公にするとき宮部みゆきの筆はいちばん冴え渡るのじゃないでしょうか。(1996.11)

10年ほど前に新書で読んだこの本を、<青い鳥文庫>のルビつきとはいえ今では自分の子供が読んでいるということに、時間の流れを感じます。(2007.02.18追記)

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【読書メモ・感想】『蒲生邸事件』 (宮部 みゆき) 1996/11

2.26事件を背景にした謎の密室殺人を追う。主人公が予備校受験直前の「現代の」浪人生という取り合わせも○。宮部みゆきの作品というとどれもそうだけれど、読後に何だかやさしい気分になれるところがよいです。タイムトラベルという道具を介在させることによって現代人と過去の人々との意識差を描き出そうとした作品は数多いけれど、歴史にはまったく疎い少年をもってきたのは面白んじゃないか思う。(1996.11)

2005年にタイムトラベルSF日本編なんていう文を書いているけれど、これを入れるのを忘れておったですね。(2007.2.18)

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【読書メモ・感想】『泣くのは、あとにして』 (ジョイ・フィールディング) 1996/11

平凡な主婦が主人公のサイコサスペンス。『優しすぎて、怖い』、『秘密なら、言わないで』に続く邦訳第3段。平凡な日常、永遠に続くかと思っていた日々がじつはすべて偽りの姿だったら?女性におすすめです。それにしても、この女流作家は男性嫌いなのでしょうか?(1996.11)

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【読書メモ・感想】『コールド・ファイア』 (ディーン・R・クーンツ) 1996/11

いわゆるモダン・ホラーってあまり読んでない、不熱心なぼくです。キングですら数冊しか読んでない。今回、この本を買ったのは宮部みゆきが推薦していたというとてもミーハーな理由なのですが、いや見事にはまってしまいました。「ライフライン」という謎の言葉に導かれるまま災害の現場にどこからともなく現れ奇跡の救出劇を演じる男、「自分は神の道具だ」と言う男、スリリングな設定で読ませます。上下巻一晩で読破してしまいました。しかも、そのあとクーンツの代表作を何冊か買ってしまった。クーンツ作品は文春文庫に良質なものが揃っているのでおすすめです。(1996.11)

上記のような感想を書いたら、「キングを読まないなんてもったいない」といった趣旨のメールを当時何通かいただいた。でも、いまだに読んでないのだよな。読もう読もうと思いながら……。(2007.2.18)

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【読書メモ・感想】『神々の指紋』 (グラハム・ハンコック) 1996/11

「世界史を覆す新事実」と帯にあるように、超古代文明の可能性を科学的に検証していく過程を描くノンフィクション。「世界ふしぎ発見」でとりあげていたから見た方も多いかもしれない。今までばらばらに考えていた世界の七不思議が一本の線に集約されていく様子が圧巻。(1996.11)

じつは、こういう内容はとても好みなのです。だって、夢があるじゃないですか(2007.2.18)

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【読書メモ・感想】『笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE』 (森 博嗣) 1996/11

「理系人間たちを見事に描き上げた」というのは、シリーズ第2作「冷たい密室と博士たち」の解説における太田忠司の言だけれど、犀川助教授と西之園萌絵の妙なカップル(とまではいかないか)が今回も事件に巻き込まれます。文系人間のぼくは、そうだよな、理系の人ってこんな感じだよな、と笑ってしまう。専門用語頻出につき、とりつきにくい印象があるかもしれないけれど、間違いなく面白い。章題についているサブコメントもふるっていいて、「はたして、これらは妥当な観察点からのもので、しかも連続した存在なのでしょうか」とか「十万桁まで計算されたパイに人間性がないというのですか?人間以外に誰がします」とか。ね、ぞくぞくしてきませんか? (1996.11)

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【読書メモ・感想】『絡新婦の理(じょろうぐものことわり)』 (京極 夏彦) 1996/11

表稼業は古本屋、裏稼業は陰陽師という京極堂を探偵役に据えてのシリーズも早くも5冊目である。最初の作品「姑獲鳥(うぶめ)の夏」を読んだとき、その設定の特異さから絶対に単発作品だと信じて疑わなかったのだけれど。シリーズ2巻目が出版されたときには狂喜したものです。毎回作品名に入っている妖怪の名前の通りの妖魅あふれる事件の展開、今回も京極夏彦はやってくれました。一点だけ不満があるとすれば、物語の展開上、ぼくの御贔屓の作家の関口(このシリーズのワトソン役)の活躍がほとんどなかったことでしょうか。ぶあつさに戸惑って購入していない人がいるのなら、すぐに書店に走るべし。
ぶあついといえば、本屋のレジの方がいやにニコニコして「この本500グラムもありますよ」とのたまわったのですが、その日に「森博嗣の浮遊工作室」のホームページをみていたら、「620グラム」とあるではないか!!結局、自分でも計量いたしました。620グラムが正解。本屋の店員さんがサバを読んだ理由はいまだに不明です。(1996.11)

重さを量ってみたというところに、当時感じたインパクトの大きさ汲み取っていただきたい(笑)。というわけで、今では分冊版なんてのもありますが、書影は文庫版の分冊でないほうをあげておきましょう。(2007.2.18)

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【読書メモ・感想】『死の蔵書』 (ジョン・ダニング) 1996/12/7

世の中には愛書家という人々がいて、これはイコール読書家というわけではないのですね。中には、読みもしない本を収集するのが趣味という方もいらっしゃるようです。これは、そんなミステリ。腕利きの「古本掘出し屋」が殺されるシーンからはじまります。操作するのは、古書、それも稀覯本に詳しく自らもコレクターであるという一風変わった刑事。日本のミステリにも「古本屋探偵の事件簿」(紀田順一郎/創元推理文庫)というのがありましたね。それにしても、キングやクーンツなどのペーパーバックの初版本が高値で取り引きされているというのにはちょっと驚きました。日本では、絶版にでもならない限りありえない現象ですから。古書店で絶版文庫本を買い集めて、初版本を扱う店で転売するのって、このミステリにあるように日本では商売として成立するのかなあ?知人にも、ペーパーバックは必ず初版で二冊買い、一冊は透明のカバーをつけて書棚に飾っておくだけなんていうのがいますが(当然、折り返した筋がつかないように、ページを開くなんていう愚は犯さないのだ!!)。初版でも文庫でも内容は同じように感動できると思うんだけれど……・・。(1996.12.7)

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【読書メモ・感想】『月光魔術團VOL6哀愁のヒマラヤナキウサギ』 1996/12/14

うーむ。やっとウルフガイらしくなってきたのか。物語は神話人種を巡って一気に核心へ.....とは進んでないようだな。今巻の解説はCLUMPの大川七瀬で、「......おじさまったら、えっち」という感想を書いているけれど、言い得て妙。ずっと昔、ウルフに覚えたのとは違う意味の気恥ずかしさがあって、通勤電車で読むのには多少の抵抗がある。年をとったということか、やだやだ。(1996.12.14)

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【読書メモ・感想】『グイン・サーガ54 紅玉宮の惨劇』 (栗本 薫) 1996/12/14

来年から隔月出版を目指すということだが。そうか、もう『豹頭の仮面』が出てから20年にもなるのか。友人一同に薦められて読みはじめた時も、けっこうな巻数が出ていたものね。最初の3巻くらいは乗り切れない自分を感じたものだが(ヒロイックファンタジーに抵抗があったので)、最近では次巻を心待ちにしている。政治陰謀物語になってくると、とりわけね。今回のような話はとても好みですよ。主人公グインの帰還を待つ!!(1996.12.14)

何と、この記録をつけ始めた頃は、グインは54巻だったのか。2007年2月現在で112巻ということを思うと、なんだか怖ろしい気がしてきました。(2007.2.18)

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【読書メモ・感想】『神の刻印』 (グラハム・ハンコック) 2006/12/4

失われた契約のアークを探求する知的冒険の書。いったい、結局のところアークって何なのだろう。聖書(特に旧約)の知識に乏しいぼくには理解しがたいところもあって、上巻では何度か行き詰まった。しかしながら、驚くのはこれがノンフィクションであるということだ。『神々の指紋』にも言えることだけれど、世界にはまだまだぼくたちの理解しきれていない謎に満ちている。次は『創世の守護神』だ!!(2006.12.14)

といいつつ、けっきょく『創世の守護神』は読まなかったのだったかな。タイミングを外すと、よくそういうことが起こる。無理してでも買っておけばよいのかもしれませんね。(2007.2.18)

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【読書メモ・感想】『おばちゃまはアフリカスパイ』 (ドロシー・ギルマン) 1996/12/31

「おばちゃま」ことミセス・ポリファックスの活躍するハートフル・ミステリー。シリーズは早くも12巻目を迎えました。第1作ではCIAにボランティアとして押しかけたアマチュア・スパイのおばちゃまも、今では空手の達人であり、ワールドワイドな難事件を次々に解決。その活躍にはCIA局員カステアーズも一目置くほど。そこが少しさみしいな、と思うのはぼくだけか。もっと素人っぽさが残っていてもいいんだが。それでも、おばちゃまが庭の手入れをする感覚の延長上で事件に挑むのはやっぱりすごいよね。この作品は第11作『おばちゃまはサーカススパイ』の続編になっているので、未読の方はこちらとのセット購読をお勧めします。(1996,12,31)

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【読書メモ・感想】『バッド・プレース』(ディーン・R・クーンツ) 1996/12/31

クーンツについては、文春文庫のものを出版順の逆に辿ってみるとしようか、などと勝手な計画を立てている。本書の購入は12/20なんだけど、「胃腸性なんとか~」にかかったりして死ぬような目に遭った(大袈裟な!!)のでなかなか読了できずにいた。記憶喪失で、目覚める度に血だらけになっていたりする男に前後の事情の調査を依頼された夫婦の探偵の話。記憶喪失で目覚めた時に「一陣の風とフルートのような音」が聞えるというところに興味を引かれるのだけれど。ナイアルラトホテップですよね、それって。(1996.12.31)

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【読書メモ・感想】『ひみつのグ印観光公司』 (グレゴリ青山) 感想 1996/12/9

昨日発売の「週刊モーニング」を読んでいたら、『ひみつのグ印観光公司』(グレゴリ青山)という連載に、横溝正史の『怪獣男爵』の角川文庫版が絶版文庫本専門店で1500円で売られている話があって興味深かった。『八つ墓村』の映画化で、金田一耕介ものが多数再版されているようだけど、有名どころに限定しているようだ。虚しい。(1996.12.9)

最近、『犬神家の一族』が再映画化された時も、やっぱりそんな感じだったかな。でも、ちらほらとマイナなものも見かけたような。ちなみに、版数にこだわらなければ、角川文庫の『怪獣男爵』はそれなりの値段で入手可能だと思う。(2007.2.18)

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【読書メモ・感想】『ナイン』 (あだち 充) 1996/12/13

1996.12.13購入。『ナイン』は好きなコミックです。たぶん中学生くらいの時にだれかに借りて読んだのだと思います。TVスペシャルのアニメも良かった。DVDは出てないみたいですね。エンディングテーマの「真夏のランナー」が好きだったです(2007.2.18)

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【読書メモ・感想】『パタリロ10』『パタリロ11』 (魔夜峰央) 1996/12/9

1996.12.9購入。この頃はけっこう漫画文庫を買っていた。日記には「病気のように」と書いてありますな。『パタリロ』も当時は出るたびに買っておりました。



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