【読書メモ・感想】『死の蔵書』 (ジョン・ダニング) 1996/12/7
世の中には愛書家という人々がいて、これはイコール読書家というわけではないのですね。中には、読みもしない本を収集するのが趣味という方もいらっしゃるようです。これは、そんなミステリ。腕利きの「古本掘出し屋」が殺されるシーンからはじまります。操作するのは、古書、それも稀覯本に詳しく自らもコレクターであるという一風変わった刑事。日本のミステリにも「古本屋探偵の事件簿」(紀田順一郎/創元推理文庫)というのがありましたね。それにしても、キングやクーンツなどのペーパーバックの初版本が高値で取り引きされているというのにはちょっと驚きました。日本では、絶版にでもならない限りありえない現象ですから。古書店で絶版文庫本を買い集めて、初版本を扱う店で転売するのって、このミステリにあるように日本では商売として成立するのかなあ?知人にも、ペーパーバックは必ず初版で二冊買い、一冊は透明のカバーをつけて書棚に飾っておくだけなんていうのがいますが(当然、折り返した筋がつかないように、ページを開くなんていう愚は犯さないのだ!!)。初版でも文庫でも内容は同じように感動できると思うんだけれど……・・。(1996.12.7)
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