【作家】栗本薫

2011/08/21

『グイン・サーガ・ワールド1』 (天狼プロダクション監修) 感想

「ドールの花嫁」 (栗本薫)、「星降る草原」(久美沙織)、「リアード武侠傳奇・伝」(牧野修)、「宿命の宝冠」(宵野ゆめ)、「日記より」、「いちばん不幸で、そしていちばん幸福な少女」(今岡清)
いきなり、海外のペーパーバックみたいなスタイルになってしまったけれど、逆にしっくりくる。こういうのも悪くはないな、と思う。未完稿とはいえ「ドールの花嫁」を読めたのはよかった。外伝三作はそれぞれ第1回。スカール生誕の事情を描く「星降る草原」が面白いと思った。

『グイン・サーガ外伝22 ヒプノスの回廊』 (栗本薫) 感想

最後のグイン・サーガ外伝。アニメDVDの限定BOXに収録された「前夜」が読めるのがうれしい。モンゴールによるパロ侵攻の前夜、すなわち、まだグインが中原にいない時点の物語。感慨深いものがありますね。

2010/02/08

『グイン・サーガ130 見知らぬ明日』 (栗本薫) 感想

グイン・サーガの最終巻である。この先、だれかがこの物語を引き継いで書いたとしても、同じようにはいかないであろう。正伝だけでも130冊。ひとりの作家が、ひとつの物語をこれだけ綴ったのだと思えば、いっそう感慨深い。最終巻のタイトルの、そして何と意味深なことだろう。この物語は、外伝『七人の魔導師』の時点に帰還して、ある種の円環となった時点で終りを迎えた。ヤーンの皮肉を感じるのは、けっしてぼくだけではないであろう。
発売日当日に買ったのに、いつもの半分の量しかないこの本を読み了えるのに、ずいぶんと長い時間を費やしてしまった。正直に言って最後の頁を読みたくなかったのである……。

2009/10/17

『グイン・サーガ129 運命の子』 (栗本薫) 感想

「運命の子」というのは、もちろんスーティのこと。運命というけれど、それは悲運なのか幸運なのか……。まあ、イシュトヴァーンの子であるというだけで特別の星のもとに生まれたかのような言及がグラチーからとかあるけれど、それはどうかな?アキレウスの平凡な娘という例もある。ああ、でも、だからあれは悲運なのか。
物語がヤガで進行している裏側では、『七人の魔道師』の事件がまさにサイロンで進行していたのだな。外伝1巻の時間に物語がついに辿りついたことが、公式に語られたわけだ。なんと大いなる環。物語がこの時点でとどまることに、ヤーンの導きなのか何なのか、そういうものを改めて感じる。次の130巻が最終巻となるのであろうな。


2009/09/05

『グイン・サーガ128 謎の聖都』 (栗本薫) 感想

ますます、うさんくさい感じのミロク教の都ヤガ。ヨナはスカールの協力もあって、マリエ親子、フロリー・スーティ親子の双方を探し出すことに成功するのだが……。イシュトとスカールの積年の確執の行方がどう決着するはずだったのかは、もはや知ることはできないのだな。だが、これでヨナの役回りがちょっと理解できた気がする。彼が幼い頃にイシュトに受けた恩は、何らかの形でスーティに返されるはずだったのではなかろうか?
知ることができないと思っていたといえば、第1章ではシルヴィアの消息が描かれる。なるほど。あれ?ということは、この時点では「売国妃シルヴィア」は、やはり成立していないのだな。このあと具体的行動があるはずだったのか?キタイと結ぶという線ではなかったかと推測するのだが……これももう判らないか?あと何冊出るのだろう?1冊?2冊?すでに、この巻では栗本さんのあとがきはない。あとがきのないグインが、こんなに寂しいものだとはなあ。

2009/07/05

『グイン・サーガ127 遠いうねり』 (栗本薫) 感想

前半はフロリー親子の行方を巡るイシュトヴァーンとヴァレリウスの政治的駆け引き。ヴァレリウスはイシュトがそういう政治的手腕に長けてきたと思っているようだけれど、昔からイシュトはイシュトだよな、とは思う。本質的には変化してないわけで、それがゴーラ王の困ったところ。後半はヤガに辿りついたヨナとスカール。ヤガはやっぱり妙な感じになっている。グイン世界におけるミロク教の位置づけを作者がどう設定しているのかには、昔から興味津々だったのだが、もうその謎には行き着かないのか……。

今巻はごくふつうに作者あとがきが入っていて、なんだかそれが逆にすごく辛い。本編は130巻途中まで執筆されているらしいので年内は刊行が続くのかな。合掌。


2009/05/27

栗本薫氏の訃報

栗本薫氏の訃報
何と言っていいのかわからない。体調が思わしくないということは、グインのあとがきでもしばしば触れられていたので知ってはいた。知ってはいたのだが、作品がコンスタントに発表されているので、大丈夫なんだと思っていた。よもや、こんなに早くと信じられない気持ちです。アニメも始まり、100巻までを収録した記念豪華本も出るというのに……。多くの謎を残したまま未完に終わったグイン・サーガ。ストックがあるようなことは書いていらしたので、あと何冊かは刊行されるのでしょう。でも、もう栗本さんのグインとして完結することはないのだな……。口惜しい思いでいっぱいですが、もちろん誰よりも口惜しいと思われているのはご自身なのでしょう。
今はただ、ご冥福をお祈りするばかりです。

2009/05/10

『グイン・サーガ95 ドールの子』 (栗本薫) 感想

この編を読んでいて思うのは、やはり言葉を通じ合わせるというのは難しいことであるな、ということだ。マリウスの詩人の言葉はサイロンの宮廷には虚しく響くだけだし、イシュトヴァーンの思いの熱さは国家という決め事の中ではいびつに感じずにはいられない。両者とも、自分の持つ言葉が最上のものであると信じているのかな?詩という大義を掲げるのも、国家を成すという大義を掲げるのも、しょせんは同じようなものなのかもしれない。それのみに邁進していると、周囲が見えなくなるということにおいてはね。ただ、彼らの言うことがすべて誤りというわけでもなかろう。あんなにも彼らに人々が魅きつけられてやまないのは、そこにふつうは到達しえない真実があるということかもしれない。とはいえ、彼らの言うこと為すことを遠巻きにしてながめているくらいが、ふつうの人間には幸せなのかもしれない、とも思う。同じ言葉をしゃべっていながら、そこには決して通じ合うことのできない隔たりがあるのだから。(2004/06)

『グイン・サーガ外伝19 初恋』 (栗本薫) 感想

「みんなただの自己満足にすぎないんだ」、なんていうのは優秀な若者にありがちな身勝手だと、ぼくは思いますがね。たしかに、若きアルド・ナリスの周囲はかくも特殊な状況にはあったのだろうけれど……。少年の日の彼と、それ以後の彼を隔てる事件がこれであったとは、何とやっぱり不幸なことだな、と思われて仕方ありません。その孤独は、自ら選びとったものである、と。また、何にも増して、それが自らのエゴイズムによるものだと、ほんとうは深く彼自身身にしみてわかっている、と。そして、こういう事件をきっかけにして、自ら定めた道がこれである、と。理論的にわりきれないもの-例えば恋-を切って捨てるということは、それは生身の人間であることを切り捨てるのと同じことなんではないかい?あのシルヴィアを愛しく思っているグインというのも不可思議ではあるけれど、まだしも人間的には判りやすいような気がするのであるよ。(2004/05)

『グイン・サーガ94 永遠への飛翔』 (栗本薫) 感想

あっと驚く展開はいつものことだけれど、この巻の末尾は予測すらしなかった。内容がかなりSF的になっていたこともあるし、またグインという存在の秘密に肉薄するところまでいっていたのでどうなるのかと思っていたのだけれど、うーむ。
今回はランドックというのが何なのか、かなり具体的に表現されています。これについては、グインの故国であるとのことだったのですが、なるほど、これで確定ですね。もうひとつ、ランドックにおけるグインの身分についても触れています。このふたつは、いままでの物語から類推された内容に沿っています。また、この世界の名前も<ソラー星系第三惑星>と出てきますが、これがくせもの。<ソラー星系>というのが<ソル星系>すなわち太陽系のことなのかどうかが微妙なところです。どちらとでもとれますね。微妙なままのほうが面白いですが。
あと、最初にルードの森にグインが出現したのが、古代機械つまりカイザー転移装置によるもので、記憶の喪失がその影響なのだとしましょう。しかし、だとすると、それまでグインはどこにいたのでしょうか?星船の中で冷凍睡眠していた?だとすると何を契機に目覚めたのでしょう?どうもタイミングがすっきりしません。グインが星船ではない場所から転送されてきたと考えたほうがつじつまが合うような気がします。しかし、ならばそれはどこなのか……。やはり、あと6冊くらいでは終わりそうにもないですね(笑)。(2004/04)

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