【作家】中山市朗

2009/05/10

『新耳袋 第五夜・第六夜』 (木原浩勝 中山市朗) 感想

実話は苦手だ、と第一夜~第四夜の感想にも書きました。ひとつかふたつそういう話を聞いただけでも背筋が寒いような気分に陥るというのに、こう話数を集められては、どうにもなりません。しかも、見知った関西の地名が数多く出てくるというところがみそです。特別な場所でないはずのあちこちを通るたびに、ああここがあの話の舞台になったあたりだ、などと考えていては身が持たないではありませんか。最近、会社が大阪市内に移転してからなおのことそう思います。
それなら、一冊でやめておけばよかったんじゃないの?と言われるでしょうが、それがそうもいきません。逆に、ここには何もないのだろうな、というふうに思考パターンが最近は変わってきたからなのです。あらかじめ仕入れておける情報であるなら、仕入れておきたい。そういう気分です。でも、単行本だともしかすると情報が新しすぎるのではないかという妙に屈折した気分も半ばですね・・・・・・。どうしたものでしょう?もともとホラーだの怪談だのは大好きで山のように読んでいるわけで、たいていのものには耐性があるはずなのですよ。実話は苦手と言いつつ、最近では再現フィルムなんかも大丈夫だったのですが、どうしてこのシリーズのみが心に引っかかるのでしょうか……。(2004/06)

『新耳袋 第一夜・第二夜・第三夜・第四夜』 (木原浩勝 中山市朗) 感想

実話というのはどうにも苦手です。ホラー映画は何ともないのに、恐怖体験の再現フィルムは怖ろしくて仕方ないという……。事実は小説よりも奇なり、などと申しますがまったくその通り。まあ、恐怖体験ものというのは、それなりの解釈がされているのが常であるし、再現フィルムとか心霊写真もほんとうかうそかは知りませんが、お祓い済みですという前提だからまだ見ることもできるのかも。ところが、この『新耳袋』、収録にあたって極力この解釈というやつを退けたそうで、このことが凡百の恐怖体験談とは一線を画する仕上がりとなっています。題名は根岸鎮衛の奇談収集『耳袋』によるもの。
さて、トラウマになるような異形の者というのは人それぞれでありましょうが、ぼくにとってはかの<くだん>という牛頭人身の者は強烈なイメージが残っています。はじめてこの異形に触れたのは小松左京の「くだんのはは」。紅い京鹿子の着物で顔のみが牛の少女、その瞳にはあの草食獣のどかか悲しげな雰囲気が漂っている。第一夜・第十二章は、この<くだん>に関わる物語です。解けない謎への問いかけが、無気味で仕方ありません。
そしてもうひとつ。ぼくには忘れられない映像があります。小学生の頃、やはり再現フィルムというやつで見たのですが、それはある建物です。いや、何ということはない単なる小屋のようなところなのですが……そこに足を踏み入れると、逃げられなくなるというのです。何度その小屋を脱出しても、いつの間にか戻ってきてしまう草むらの中の一軒の小屋……。無気味な小屋のイメージが妙に怖いのですよね。第四夜の最終章「山の牧場」を読んで、ぼくはそのときの気分を生々しく思い出しましたよ。幽霊も怪物も怪奇現象も描かれないのに妙にヤバい感じのするこの話、、ホラーの大家菊池秀行氏が解説で「読むな」とまでおっしゃっておりますが、あなたはどう思われました?




2006/06/29

『新耳袋 第八夜』 (木原浩勝 中山市朗) 感想

『新耳袋 第八夜』 (木原浩勝 中山市朗) 感想

4043653085新耳袋―現代百物語〈第8夜〉
木原 浩勝 中山 市朗
角川書店 2006-06

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【感想】
夏恒例の怪談。実話ものの怪談は、本屋で立ち読みすることはあっても、買おうと思ったことはかつてなかったのだが、これだけは続けて購入している。十巻にも及ぶ怪奇の果てにはいったい何があるのか、とても興味深いのである。
今回、とりわけ興味深かったのは、第42話「あそぼ」である。これ、夢の中などでは誰しも経験したことがある感覚に近いのではないだろうか。人間にとって、たしかに知っているとは、どういうことなのだろう?記憶の中にあるあれこれは、はたしてほんおつに事実なのであろうか?

2005/06/28

『新耳袋 第七夜』 (木原 浩勝 中山 市朗) 感想

4043653077新耳袋 第七夜 現代百物語
木原 浩勝 中山 市朗
角川書店 2005-06-25

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【感想】
途中まで、ごくふつうに読んでいた。この現代怪談も七巻にもなると慣れてきていて、じつはさして怖いとも思っていなかったのである。しかし、最終章「縁にまつわる十四の話」でその立ち上ってくる気配にやられてしまった。すごすぎる。ぼくだったら耐えられない。幽霊話というのは短期決戦というか、極端にいうと見たということを自分でも疑ってしまうような「瞬間」の話だと思うのである。そんな特別な「瞬間」には自分は出会わないだろう、そう思うから怪談を楽しむことができるのだと、自分では思っている。しかし、この「縁にまつわる十四の話」は違う。こういうのも「縁」なのかということも含めて、スパンが長すぎるのだ。そして、この男性がこうなった理由がわからない。いや、因縁だといってしまえばそうなのだろうが、得心がいかないのである。得心のいかぬまま、これは終わった話ではないのだという強い怖さを感じたままになっている。

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