【作家】ディーン・R・クーンツ

2009/04/11

『ウォッチャーズ』 (ディーン・R・クーンツ) 感想

世のすべての犬好きに捧ぐ。うん、捧げてしまってよいよね。クーンツを読む知人の多くが、かなりの確率でこの作品をいちばんに推す。まあ、だからこそひねくれもののぼくとしては、ここまで読まずにきたわけだけれど・・・・・・。
森で出会った一匹の犬、彼にはなにかふつうの犬にはないものが感じられた。その犬をアインシュタインと名づけ、孤独な中年男はともに暮らしはじめるが・・・・・・。彼方から迫り来る恐怖、それに対抗し得る力とは何か?犬とのコミニュケーションという、犬好きにはたまらないであろうテーマを内に含み、そして<アウトサイダー>という恐怖に立ち向かうキーとしてそのコミニュケーション、ひいてはアインシュタインとの対話をきっかけに形成されていく新しい家族を用いるところがすばらしい。息をつかせぬ展開の妙はなるほどクーンツ。クーンツを読むと人の善意を信じることができるというところが、やはりぼくは好きだな。きっと、この物語は読み継がれていくにちがいないと思う。そう物語末尾で示されるように「犬たちがいるかぎり、そして犬たちといっしょに歩いていける人間たちがいるかぎり」(2002/08)

2008/11/30

『デモン・シード[完全版]』 (ディーン・クーンツ) 感想

そうか、この話って原作はクーンツだったのか。昔、映画で見た記憶があるんだが、なんか背中が寒くなってくるような作品ですね。狂ったコンピュータの狂った所業、こんなことが近い未来に起こるとするといやですね。『虚無回廊』のAEのアンチテーゼだなあ。徹頭徹尾コンピュータの視点から描いたひとりよがりの独白ってのもすごいけど、なんでまたこの機械は自分自信の肉体が欲しいだなんて思うようになったのだろうかね?謎だ。所詮、いかにすぐれたコンピュータといえど人間がつくったものなのだから人間自身の歪みが混入してしまうということでしょうかね?だとすると人間的知性の将来性ってのは真っ暗ということにもなりかねないのだが……。もうひとつ言えば、当然のことながら、この人工知能の感じている何かの感情は、少なくても恋などというものでないことは確かですね。自分にないものをうらやむ感情、それはただの妬みなのだよ。(2000.07.27)

2008/09/07

『ドラゴン・ティアーズ』 (ディーン・クーンツ) 感想

安定した面白さを楽しめるクーンツ作品。主人公の刑事たちが冒頭のシーンで出会うとある犯人はエルビス・プレスリーの曲名でしか話をしない。対する説得もエルビスの曲名だけで行う。この何ともいえない不可思議な会話センスが素敵ですねえ。こうしたユーモアっていったいどこからやってくるんだろう?『ミスター・マーダー』のスタートレックねたは、ぼくは残念ながらあんまり乗れなかったのですが、今回は笑わせていただきました。あと、ホームレスの母子の飼っている犬の視点で展開していく場面なんかはほんとに秀逸です。犬っていうのはもしかすると、こんなふううに思考しているのかもしれないと妙に納得してしまいます。少なくてもクーンツを読んで不安にならないのはこのどこかにある健全さなのかもしれません。(1998/08/16)

『ミスター・マーダー』 (ディーン・クーンツ) 感想

結局のところ「自分」というのはいったい何者を指し示す言葉なのだろうか?この物語を読了して最初に考えたのはそのようなことだ。瀬名英明氏による解説というか小論文を読み、その疑問は解消されるどころかますます深くなった。この物語の主人公で作家のマーティには作者自身が投影されているのだが、その「片割れ」についてはどうなのか?「片割れ」とはありえる可能性の一部なのだろうか?そうなり得たかもしれない自分というのを想定するのはとても怖いことだ。それは悪魔でもなければ怪物でもない。自分自身である。自分とはこのような人間であると信じることが、もはやできなくなってしまう。そのような内的な葛藤は、大なり小なり誰しもがふと感じたことがあるのではないだろうか?これは、そんな不安感を「片割れ」という形で独立させてみるという試みなのだろう。物語を読みすすむにつれて、ぼくたちは否応なく自分自身の闇の部分にも目を向けさせられることになる。ジキルが主でありハイドが従であるなどとは誰にも言えまい。その逆転の可能性こそが、この物語のスリルなのである。(1998/06/29)

2008/09/06

『心の昏き川』(ディーン・R・クーンツ)感想

モダン・ホラーではないクーンツ作品は初体験である。どうなることかとちょっと心配だったのだけれど、そんな思いはすぐに雲散霧消した。ひたすらにクーンツ節なのだ。心と顔に深い傷を負った孤独な男、男と奇妙な連帯を持つ一匹の犬、そして謎のように現れて姿を消した女。テンポよすぎるくらいにテンポよく物語りは展開していく。この作品ではオンライン・ネットワークを使用したいわゆるハッキングの技術や、そこから不法に得られる情報(これはイコール力と言い替えてもよいね)がテーマのひとつに選ばれていて、そのことも興味深い。とにかく楽しめる作品だ。そして、クーンツを読むといつも人生は捨てたもんじゃないよなという感想を持つことができて、その点もぼくは気に入っているのだ。すばらしい大団円とはいつもいかないで問題は提示されたまま終結するのだけれど、とにかく前進していく力の一助とはなってくれるものね。概ね、ハッピーエンドの物語など読み返す気にはならないのだけれど、クーンツだけは少なくとも希有な例外なのだろう。(1997/12/28)

2007/02/18

『バッド・プレース』(ディーン・R・クーンツ) 感想

クーンツについては、文春文庫のものを出版順の逆に辿ってみるとしようか、などと勝手な計画を立てている。本書の購入は12/20なんだけど、「胃腸性なんとか~」にかかったりして死ぬような目に遭った(大袈裟な!!)のでなかなか読了できずにいた。記憶喪失で、目覚める度に血だらけになっていたりする男に前後の事情の調査を依頼された夫婦の探偵の話。記憶喪失で目覚めた時に「一陣の風とフルートのような音」が聞えるというところに興味を引かれるのだけれど。ナイアルラトホテップですよね、それって。(1996.12.31)

『コールド・ファイア』 (ディーン・R・クーンツ) 感想

いわゆるモダン・ホラーってあまり読んでない、不熱心なぼくです。キングですら数冊しか読んでない。今回、この本を買ったのは宮部みゆきが推薦していたというとてもミーハーな理由なのですが、いや見事にはまってしまいました。「ライフライン」という謎の言葉に導かれるまま災害の現場にどこからともなく現れ奇跡の救出劇を演じる男、「自分は神の道具だ」と言う男、スリリングな設定で読ませます。上下巻一晩で読破してしまいました。しかも、そのあとクーンツの代表作を何冊か買ってしまった。クーンツ作品は文春文庫に良質なものが揃っているのでおすすめです。(1996.11)

上記のような感想を書いたら、「キングを読まないなんてもったいない」といった趣旨のメールを当時何通かいただいた。でも、いまだに読んでないのだよな。読もう読もうと思いながら……。(2007.2.18)

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