『絡新婦の理(じょろうぐものことわり)』 (京極 夏彦) 感想

表稼業は古本屋、裏稼業は陰陽師という京極堂を探偵役に据えてのシリーズも早くも5冊目である。最初の作品「姑獲鳥(うぶめ)の夏」を読んだとき、その設定の特異さから絶対に単発作品だと信じて疑わなかったのだけれど。シリーズ2巻目が出版されたときには狂喜したものです。毎回作品名に入っている妖怪の名前の通りの妖魅あふれる事件の展開、今回も京極夏彦はやってくれました。一点だけ不満があるとすれば、物語の展開上、ぼくの御贔屓の作家の関口(このシリーズのワトソン役)の活躍がほとんどなかったことでしょうか。ぶあつさに戸惑って購入していない人がいるのなら、すぐに書店に走るべし。
ぶあついといえば、本屋のレジの方がいやにニコニコして「この本500グラムもありますよ」とのたまわったのですが、その日に「森博嗣の浮遊工作室」のホームページをみていたら、「620グラム」とあるではないか!!結局、自分でも計量いたしました。620グラムが正解。本屋の店員さんがサバを読んだ理由はいまだに不明です。(1996.11)

重さを量ってみたというところに、当時感じたインパクトの大きさ汲み取っていただきたい(笑)。というわけで、今では分冊版なんてのもありますが、書影は文庫版の分冊でないほうをあげておきましょう。(2007.2.18)

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『笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE』 (森 博嗣) 感想

「理系人間たちを見事に描き上げた」というのは、シリーズ第2作「冷たい密室と博士たち」の解説における太田忠司の言だけれど、犀川助教授と西之園萌絵の妙なカップル(とまではいかないか)が今回も事件に巻き込まれます。文系人間のぼくは、そうだよな、理系の人ってこんな感じだよな、と笑ってしまう。専門用語頻出につき、とりつきにくい印象があるかもしれないけれど、間違いなく面白い。章題についているサブコメントもふるっていいて、「はたして、これらは妥当な観察点からのもので、しかも連続した存在なのでしょうか」とか「十万桁まで計算されたパイに人間性がないというのですか?人間以外に誰がします」とか。ね、ぞくぞくしてきませんか? (1996.11)

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『神々の指紋』 (グラハム・ハンコック) 感想

「世界史を覆す新事実」と帯にあるように、超古代文明の可能性を科学的に検証していく過程を描くノンフィクション。「世界ふしぎ発見」でとりあげていたから見た方も多いかもしれない。今までばらばらに考えていた世界の七不思議が一本の線に集約されていく様子が圧巻。(1996.11)

じつは、こういう内容はとても好みなのです。だって、夢があるじゃないですか(2007.2.18)

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『コールド・ファイア』 (ディーン・R・クーンツ) 感想

いわゆるモダン・ホラーってあまり読んでない、不熱心なぼくです。キングですら数冊しか読んでない。今回、この本を買ったのは宮部みゆきが推薦していたというとてもミーハーな理由なのですが、いや見事にはまってしまいました。「ライフライン」という謎の言葉に導かれるまま災害の現場にどこからともなく現れ奇跡の救出劇を演じる男、「自分は神の道具だ」と言う男、スリリングな設定で読ませます。上下巻一晩で読破してしまいました。しかも、そのあとクーンツの代表作を何冊か買ってしまった。クーンツ作品は文春文庫に良質なものが揃っているのでおすすめです。(1996.11)

上記のような感想を書いたら、「キングを読まないなんてもったいない」といった趣旨のメールを当時何通かいただいた。でも、いまだに読んでないのだよな。読もう読もうと思いながら……。(2007.2.18)

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『泣くのは、あとにして』 (ジョイ・フィールディング) 感想

平凡な主婦が主人公のサイコサスペンス。『優しすぎて、怖い』、『秘密なら、言わないで』に続く邦訳第3段。平凡な日常、永遠に続くかと思っていた日々がじつはすべて偽りの姿だったら?女性におすすめです。それにしても、この女流作家は男性嫌いなのでしょうか?(1996.11)

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『蒲生邸事件』 (宮部 みゆき) 感想

2.26事件を背景にした謎の密室殺人を追う。主人公が予備校受験直前の「現代の」浪人生という取り合わせも○。宮部みゆきの作品というとどれもそうだけれど、読後に何だかやさしい気分になれるところがよいです。タイムトラベルという道具を介在させることによって現代人と過去の人々との意識差を描き出そうとした作品は数多いけれど、歴史にはまったく疎い少年をもってきたのは面白んじゃないか思う。(1996.11)

2005年にタイムトラベルSF日本編なんていう文を書いているけれど、これを入れるのを忘れておったですね。(2007.2.18)

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『今夜は眠れない』 (宮部 みゆき) 感想

これは92年の作品の新書化です。未読の宮部みゆきの作品ってあと何々だろうと考えるとちょっとうれしい。すべての本をハードカバーで買うわけにはいかないもんね。5億円の遺産が母親の過去の知り合いから突然ころがりこむ一家の物語。主人公は中学生の少年であります。少年を主人公にするとき宮部みゆきの筆はいちばん冴え渡るのじゃないでしょうか。(1996.11)

10年ほど前に新書で読んだこの本を、<青い鳥文庫>のルビつきとはいえ今では自分の子供が読んでいるということに、時間の流れを感じます。(2007.02.18追記)

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『プレイメイツ』 (ロバート・B・パーカー) 感想

毎年、年末近くなるのが楽しみです。スペンサーシリーズが順次文庫化されるからです。今回の事件背景は大学バスケットボールの八百長事件。スペンサーとスーザン・シルヴァマンの大人の恋人同士の洒落た会話もあいかわらず絶好調です。それにしてもスペンサーが文庫化するまで待ってるなんて、ぼくは何て贅沢な人間なんだろう。まあ、もし明日世界が滅びるとしたら、今日中にやることの中に「残りのスペンサーシリーズをすべて読む」というのを入れているけどね。 (1996.11)

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『月光魔術團 VOL5 毟らないで小さな紅い薔薇』 (平井 和正) 感想

ウルフガイ・シリーズの最新作。平井和正作品が毎月読めるだけでぼくは天国にいる気分です。総論は完結時にするとして、まあ何と魅力的なんだろう犬神明(メイ)は。まさかウルフが女の子になってしまうなんて、誰が考えたでしょう。イラストはあの泉谷あゆみ。まさにウルフのために存在するイラストレーターです。(1996.11)

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