『パラレルワールド・ラブストーリー』(東野圭吾) 感想
オープニングがよい。すれ違う電車、その窓越しにしか出会えない女性。うーむ、こういうシチュエーションはとても好きですね。それにしても、こういうミステリとしてもSFとしても、はたまた恋愛小説としても秀逸な作品っていうのは泣いてしまうなあ。物語にはこうあってほしい。
仮想現実を研究している青年が、自分の恋人がじつは親友の恋人ではなかったかという「記憶」を思い出していく過程の描写はせつなすぎるぞ。新書版としてはちょっと高い980円(3月16日現在)だけれど、ぜひ読むべし。
ちょっとだけ不満なことがあるとしたら、麻由子というヒロインの心理描写にもうちょっと深みがあってもよかったんじゃないかと。その分男性読者にとってはとくに、ミステリアスというか謎めいたラストシーンになっているんだけどね。(1997.3.16)
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