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2008年11月30日 (日)

『夏と花火と私の死体』 (乙一) 感想

殺されてしまった「わたし」の一人称という、ちょっと他に類似作品を思いつかない斬新な書き方の作品。いささかの猟奇さもなく、むしろ物語が淡々と続けられていることに驚いてしまった。物語の冒頭から「わたし」の殺されてしまった原因も犯人もわかっているわけだから、ストーリーの興味はその後の処理ということになるのだが……。たぶん、これ、他の書かれ方をしていたら、とても納得いくどころではないと思うのである。奇妙な味わいの秀作だ。併録の「優子」のほうはスタンダードだが、これも味わい深い作品。
読了してから解説を読んで作者が執筆当時16歳であったことを知ってなお驚く。と同時に、このあやうげなバランスはそういう理由だったのかと妙に納得してしまった。(2000.06.25)

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