『デジデリオ-前世への冒険』(森下典子) 感想
人の前世を見ることができるという女性を取材に行った作者は、疑いをいだきながらもその言葉に興味をおぼえ、ルネサンス期にフィレンツエで活躍したという人物を追いはじめる。うーん、これノンフィクションなのですよ。だから、ミステリのようにすっきりとした回答がこの物語の結末に示されているわけじゃない。疑いをもったまま、なんとなく釈然としないまま読了したのだね。過去にデジデリオという彫刻家が実在したということはわかったけれど、これで前世を見るという女性が書物からは知り得ない事実を述べていたということも証明されたことになるとは思えませんね?デジデリオさがしのプロセスはとても興味深いのですが、けっきょく作者自身が前世というのに懐疑的なのだね。作者がさがしたかったのは前世ではないということなのですね。
今生きている自分にプラスになるなら前世もあっていいと思うし、役に立たないなら忘れていることを是としたいですね。人はそれを知って平静でいられるほど強くはないでしょうから。(2000.02.05)
| 固定リンク
「2000年01月の読書感想」カテゴリの記事
- 『リセット』 (北村薫) 感想(2009.03.14)
- 『ウルフガイDNA 6 無敵遺伝子』 (平井和正) 感想(2008.11.30)
- 『ウルフガイDNA 7 夜の仮面騎士團』 (平井和正) 感想(2008.11.30)
- 『巴里・妖都変 薬師寺涼子の怪奇事件簿』 (田中芳樹) 感想(2008.11.30)
- 『蒼い記憶』 (高橋克彦) 感想(2008.11.30)



コメント