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2008年11月30日 (日)

『永遠の仔』 (天童荒太) 感想

このミス1位ということで大量に平積してありましたが、実際には発売されてからかなり経つのです。この本もハードカバー2冊ということで買い控えていたのですが、とうとうがまんできなくなった次第。いやあ、がまんせずに正解でしたよ。ほんとう。
動物園とあだなされる少年のための精神科病棟、退院記念に登ることになった霊峰の頂上で起きた事件、17年を経てひとりの少女の成長を見守るふたりの少年。ちょっとこう並べてみるだけでも、いかに大仕掛けかがわかりますね。
物語は三人の男女の17年前と今を並行させて描くわけですが、すなわち1979と1997を並行させているのです。ちょっと用い方はちがうけれどオーウェルみたいです。三人が、自分たちが経験したことのほんとうの姿に行きつくまでにかかった年月として、それは長すぎたのでしょうか?この場合、歳月は彼らを癒すのに役だったとはとても言えません。すべてがしょく罪の日々ということなのでしょうか?もし、そうであれば、この場合の罪とは、いったい誰の誰に対するものなのでしょうか?
人はいつもいつもベストの選択をできるわけではありません。むしろそうでない選択を強いられることのほうが多いでしょう。とりわけ、人と人との関りにおいて、それは顕著な現象であるかもしれません。あのときいったいどうするべきだったのか?時として、人はいつまでもそれを思い悩むのかもしれません。(2000.01.16)




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