『家族趣味』(乃南アサ) 感想

奇妙な味の短編集。借金してでも宝石を集めることをやめられない女性の悲劇を描いた「魅惑の輝き」、自分の肉体を鍛えることに取り憑かれた男の話「彫刻する人」など5編。どこにでもいるような人々を主人公にしているだけに怖い。読みはじめた時は、そうだよなこんな人いるよなとか笑っているのですが、読み進むにつれて顔がひきつってくるのが分かる。絶品なのは第3編の「忘れ物」。そこに仕掛けられたトリックもよいし、ストーリーもよい。でも、読了してからちょっと粛然としてしまったです。怖いというよりは悲しい物語ですよね、これって。女性読者諸氏の感想やいかに?(1997/5/25)


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『6月19日の花嫁』(乃南アサ) 感想

この小説、平成3年刊の文庫化なんですが、こんなに面白いんだからもっと早くに文庫にして欲しかったなあ。などというと読者のわがまま?文庫化までの間隔って2~3年くらいだろうと思っているんだけれど。
結婚式まであと5日の花嫁が記憶を失って見知らぬ場所で目覚めるっていう「お約束」な始まり方ですが、そこからは一味もふた味も違う。主人公の心理描写が細やかで良いなあ。ミステリとしてもすばらしいと思う。
ただ、ひとつだけ文句をつけておきましょう。いえ本編ではなく解説になのですが。解説にいろいろと書きすぎです。まあ、ミステリファンが解説を最初に目に通すとは思いませんが。みなさん、本編から先に読みましょう。(あたりまえか)(1997.2.28)


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