『星の感触』(薄井ゆうじ)感想
友人の小次郎氏のページPの穴御推薦の薄井ゆうじ作品はぼくにとって今回初体験である。
うーむ、何とせつない物語なんだろう。身長2メートル67センチながらいまだ成長をつづける大男と、速記を職業とする主人公の青年の交流を軸にした物語なんだけど、主人公がワープロについて語る思い、文章を書くということについて語る思いがよいなあ。それに、現実の日常性に受け入れてもらえない大男の設定も何だか悲しくなってしまうほどよい。後半からは幻想小説のようになってきて、夢と現実の境がじょじょになくなっていく。その過程がとても自然で、下手なSF小説ではこの味はとても真似できまいと思ってしまう。ラストシーンまでの数ページの緊張感には思わず息をとめてしまった。この物語に出てくるゴヤの巨人の絵を観たいなあ。本屋で画集をさがすとしようか。(1997.3.23)
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