『夢魔の通り道』 (村田基) 感想

衝撃の長編『フェミニズムの帝国』以外、村田基はまだ短編小説しか発表していないらしい。本書が4冊目の短編集である。この方の作品はもっと読みたいし、できれば長編も、と望んでいるのはぼくだけではあるまい。
夢と現実の隙間から異界の生物が忍び寄る「裂け目」、未知の細菌によって人間が生きながら腐っていく「腐敗都市」、奇妙な家庭教師を依頼された大学生の体験する非日常を描いた「柱時計のある家」、冒頭のこの三作のどれでもよいから立ち読みしてみましょう。背中を冷たい汗が流れていくことにあなたは気づくに違いありません。恐怖を描かせたら一流の作家です。夏の夜にぴったりですよ。(1997/8/10)


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『フェミニズムの帝国』 (村田 基) 感想

男女の立場が逆転、というと差別表現か?とにかく、女性優位社会を描いた悪夢のような物語である。女性とは何か?男性とは何か?いわゆる「女らしさ」とか「男らしさ」の常識を徹底的に打ち砕いてくれる。職場の女性上司にたいした理由もないのに配置転換を申し渡された主人公の男性が帰宅途中にレイプ事件(あの、誤解なきように書いておきますが、女性が男性をレイプするのです、この物語の世界では)に巻きこまれたのをきっかけにメンズ・リブ運動に身を投じ、男性と女性の社会的役割(といわれていたもの)が逆転したのはどうしてなのかを疑問に思いはじめる、っていうのが粗筋なんだけど。いや、すごい物語ですよ、これは。SFなんかには興味ないという方にもぜひ。(1997.01.05)

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