『夢魔の通り道』 (村田基) 感想
衝撃の長編『フェミニズムの帝国』以外、村田基はまだ短編小説しか発表していないらしい。本書が4冊目の短編集である。この方の作品はもっと読みたいし、できれば長編も、と望んでいるのはぼくだけではあるまい。
夢と現実の隙間から異界の生物が忍び寄る「裂け目」、未知の細菌によって人間が生きながら腐っていく「腐敗都市」、奇妙な家庭教師を依頼された大学生の体験する非日常を描いた「柱時計のある家」、冒頭のこの三作のどれでもよいから立ち読みしてみましょう。背中を冷たい汗が流れていくことにあなたは気づくに違いありません。恐怖を描かせたら一流の作家です。夏の夜にぴったりですよ。(1997/8/10)
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